小樽の初夏の名産・生ウニの季節がやって来た。市内各漁港の前浜で水揚げされる新鮮なウニが、いよいよ小樽市民の手に届く。これから夏にかけて、口の中でとろける小樽産生ウニが、市民をはじめ多くの人の舌を唸らせる。
小樽のウニ漁は、10日(土)に解禁となり、約100人のウニ漁業者たちは、一斉に漁に出た。銭函・張碓から、朝里・船浜、手宮・高島、祝津、塩谷、忍路まで、市内沿岸でウニが水揚げされた。
12日(月)の小樽市漁業協同組合地方卸売市場(色内3)では、03:30から、今年初のウニのセリが行われた。札幌や東京、大阪などの地方向け高折(120g以上)の赤ウニ(エゾバフンウニ)385枚・白ウニ(キタムラサキウニ)689枚と、市内各市場や寿司店向け薄折(100g以上)の赤ウニ415枚・白ウニ1,049枚、カップ(塩水・100g以上)の赤ウニ715枚・白ウニ728枚が、競り落とされた。
今シーズンの初セリとあって、場内には、卸業者や市場店主、寿司店経営者など大勢の買受人が集まった。セリ人の威勢良い声が響き渡り、価格交渉が行われ、あっという間に売買された。折り詰めは、例年と同額、カップは、昨年よりも200円程度安値で取引された。
同組合市場部(三上邦夫部長)によると、2007(平成19)年の初日のセリでは、高折の赤ウニ551枚・白ウニ1,259枚、薄折の赤952枚・白1,360枚、カップの赤528枚・白490枚がセリにかけられた。今年は、総数で、昨年よりも約1,000枚ほど少ない。「今年は、シケ気味の海岸もあったようだから、多少、減っている」 という。
小樽産ウニの年間出荷量は、2007(平成19)年では、高折(赤28,320枚・白39,099枚)、薄折(赤36,419枚・白85,343枚)、カップ(赤26,777枚・白34,042枚)。2006(平成18)年では、高折(赤30,022枚・白45,439枚)、薄折(赤44,672枚・白93,680枚)、カップ(赤13,561枚・23,506枚)。2005(平成17)年は、高折(赤26,927枚・白65,219枚)、薄折(赤33,929枚・白65,219枚)、カップ(赤4,227枚・白8,225枚)となっている。「毎年、前後しているが、極端に減ったり増えたりはしていない」 としている。
市内では、昭和40年後半から、全国で初めてウニの折り詰め販売を開始。新鮮な小樽の生ウニは、小樽ブランドとして全国的に高値で取引されている。近年は、全国的にカップウニの需要も増えてきており、同漁組では、4年前から、カップウニの販売を制限付で始めた。2007(平成19)年からは、カップウニの制限を外したことから、昨年・今年とカップウニの販売数が急増している。
「折り詰めは、ウニをミョウバン(添加物)につけて固める。カップは、取り出した身をそのまま塩水につける。折り詰めよりも手間がかからず、漁師さんたちも2時間くらい作業が短縮出来るから、最近は増えている」(仙福昭雄販売課長) としている。
小樽のウニ漁が解禁となり、前浜で取れた新鮮なウニが、市民の身近にある市場ですぐに手に入るようになった。これから、8月31日までウニ漁が行われ、小樽から全国に旬な味が届けられる。
◎関連記事1