小樽市内の法人タクシー7社が、昨年6月に初乗り運賃を530円に値上げしたが、小樽北交ハイヤーとミドリ小型ハイヤーの系列2社は、5月22日(木)から、再度、470円に値下げることを決めた。
市内には法人タクシーが10社ある。2002(平成14)年に、小樽つばめ交通・小樽日交タクシー・小樽北交ハイヤー・共同交通・金星小樽ハイヤー・北海道中央タクシー・ミドリ小型ハイヤー・トンボハイヤーの8社が、初乗り運賃530円を470円に値下げした。加算料金80円も314mから354mに延ばした。
この値下げで客足の回復を図ろうとしていたが、タクシー利用者は伸びず、原油価格の高騰などの影響があり、2007(平成19)年6月に、値下げした8社のうち、トンボハイヤーを除く7社が、530円に逆戻り値上げした。このため、市内では、トンボハイヤーや一部個人タクシーの470円、個人タクシーの480円、その他法人タクシー9社の530円が並存している。
この間、各社は、ポイントカードやレシート集めの割引など、それぞれの対策を講じてきた。しかし、小樽北交ハイヤーとミドリ小型タクシーは、ポイントカードなどを設けなかった。このため、「手宮、高島、豊川、石山の地域で、値下げしてない会社と競合したため、利用客が減った。同じ地域のところに安いところと高いところがあって、さらにポイントカードもやっていないので、利用客が減った。平均で10%の収入減となった。お客さんのニーズに応えるため、470円にまた値下げし、加算料金も354mにすることにした」(小樽北交ハイヤー)。
「値上げすることで、本来なら11~12%の収入がアップしなければいけないところだけど、以前の水準にも到達しなかった。お客様は安い方、安い方に行く。中には、電話でタクシーを乗る回数を減らしたというお客様がいたので、そのようなお客様のニーズに応えるよう、改善を図るために値下げに踏み切った」(ミドリ小型ハイヤー) 。
北交グループ2社が、22日(木)から値下げすることに対して、「特に470円にする話はない」(小樽つばめ交通)。「変更はない」(小樽日交タクシー)。「ポイントカードやレシート集めなど、特になにもしていなが、今のところ考えていない。前回470円に値下げしたが、お客さんの利用度は上がらなかった」(共同交通)。「今は、どこでもお客さんが減っている。値下げは考えていない」(金星小樽ハイヤー)。「まだはっきりしていない。2社の値下げに驚いてはいるが、今後考えていく」(北海道中央タクシー)と、昨年値上げした各社は値下げに冷ややかだ。
また、これまで一環して530円を継続しているこだま交通とぜにばこ交通の系列2社は、「小樽で、値下げしたり、値上げしたりしていると、ひんしゅくをかうことになる」 と、初乗り運賃の変更はしない。小樽個人タクシー協同組合でも、「組合で価格の強制はできないが、値上げも値下げも考えていない」 としている。
470円を継続しているトンボハイヤーは、「収入が10%減ったといって値下げをするようだが、うちは13%減っている。市内各社が、470円にしたときに、ポイントカードを取り入れた会社に客をとられてから、ようやく8割り戻っただけ」 と困惑の様子。
タクシー利用者が市内全体で減少している中で、値下げやポイントカードなどの導入で、タクシー会社間の客の争奪合戦が、さらに激化している。
◎関連記事1 関連記事2