小樽市(山田勝麿市長)は、5月23日(金)11:00に開いた市長定例記者会見で、「小樽市ラブホテル規制条例」を第3回定例会(9月議会)に提出し、2009(平成21)年4月から実施することを明らかにした。
市内では、昨年夏、張碓町のNPO法人かもめ保育園(町田幸作理事長)の近くで建設予定のホテルに対し、リゾートホテル建設ではなく実態はラブホテルだと、署名とともに建設反対の要望書を市議会に提出し、ラブホテル反対運動が起っていた。事業者などに説明会の開催を求めるなどし、ホテルの建設計画は中止となった。この後、同園理事長らが、ラブホテル建設を規制する条例の制定を市に求めていた。
ラブホテルの建築や営業は、建築基準法や風俗営業法によって規制されている。しかし、リゾートホテルやビジネスホテルとして建築されたホテルでも、実態はラブホテルということもある。
このため、市は、「青少年の健全な育成のための教育環境」、「健やかに安心して暮らせる福祉環境」、「住宅地の良好な居住環境」、「良好な生活環境の保全を図る」などを目的に、独自の条例を制定することを決めた。
外部から内部が見通すことが可能なことや、客が自由に利用することが出来るロビーを設置すること、性的感情を刺激する内装や照明などを有しないことなど、ラブホテルに対する定義を15項目定め、ラブホテル建築物の基準を明確にし、規制することにした。
また、商業地域以外の地域や、学校・児童福祉施設、図書館などの周囲約200m以内の区域、第1種低層住居専用地域などの周囲約50m以内の区域で、ラブホテルの建築を認めないことにした。市内では、JR小樽駅前中心市街地や手宮地区と朝里川温泉地区の一部が商業地域となっている。この区域内の制限で、ラブホテル設置可能面積が、この3地区では、大幅に狭まることになる。
今後、この条例案を市民に示し、広く意見を求めることにしている。9月の第3回定例会に議案として提出し、2009(平成21)年4月から実施する予定。この条例案が成立すれば、道内では、北広島市に次ぐ2番目のラブホテル規制条例となる。 (動画)