ゴールデンウィーク期間中の29日(火)、今年も旧寿原邸(東雲町8)の一般開放が始まった。
旧寿原邸は、1912(大正1)年に建築された、木造2階建(2,290平米)の邸宅。小豆将軍として知られた高橋直治が創建。坂の高低差を活かした住居と庭があり、小樽港を見下ろすことが出来る。
大正年代に小樽を代表する実業家・寿原外吉が譲り受けた。1985(昭和60)年に外吉が亡くなったため、妻のハツエさんが「お世話になったお礼に」と、小樽市に寄贈した。市は、1988(昭和63)年から夏季限定(4月~11月)で一般無料開放を始めたが、2004(平成16)年からは期間中の土・日・祝日のみ開放していた。市は、2007(平成19)年2月に、「維持費がかかり、持ちきれない」と、寿原財団へ返還を打診した。関連記事
さらに、同年8月には、NPO北海道職人義塾大学校(佐々木徹理事長)に使用しないかと打診。これまで、活動拠点がなかった同大学校は、市建設部と協議を進め、今年3月、事務所として旧寿原邸を賃貸借することを決めた。市がこれまで管理費としてシルバー人材センターに支払っていた約40万円を、同大学校が負担するほか、賃借料として年間約20万円の計約60万円支払うことになった。これにより、民間のNPO北海道職人義塾大学校が、この旧寿原邸を4月から管理運営することになった。
同大学校は、「これまでの一般無料開放は継続して、ただ建物を見せるだけでなく、職人による製作体験などを実施して、市民や観光客とものづくりを通じて接点をつくりたい」 と、29日(火)10:00~16:00から一般開放を始めた。同時に有料の製作体験も開始した。
初日は、箸(はし)に金箔を張る製作体験を実施。三角やハートなどの金箔模様を箸に貼り付けて、マイ箸を作るもの。体験者たちは、「中々思うように出来なかったが、先生が丁寧に教えてくれたので、きれいに出来た。思いがけなく、こんな製作体験が出来たので嬉しい」 と話していた。製作体験は1,500円(税込)。
「一般開放を行っているうちに、色々なアイディアが浮かんでくると思う。まずは、職人の作品展示や販売を行い、おいおい色々なことをやっていきたい。市民からもアイディアを聞いて何かイベントも行いたい」 (同大学校) としている。