小樽の野山で見られる早春の花の姿やエピソードをスライドとともに紹介する学芸員リレー講座「スライドトーク 小樽の早春の花」が、4月12日(土)13:30~15:00、市総合博物館(手宮1)で開かれた。
この日は、約60人の市民が参加し、会場の2階研修室は満席となった。同館自然担当の山本亜生学芸員が、4月中旬から5月上旬にかけて小樽の野山で見ることが出来るフキノトウやフクジュソウ、ミズバショウなど20種類の植物の写真をスライドに映しながら、その花の持つ特徴や面白いエピソードを紹介した。
「フキノトウには、雄と雌があるが、雌の花の中には少数の雄の花が混じっている。これは、雄の花は蜜を作ることができるためで、雌の花は蜜ができないので虫を呼ぶために混じっている。ちなみにフキノトウには、雄と雌で甘いのと苦いのがある。ぜひ食べて比べてもらいたい」
「フクジュソウは、パラボナアンテナのような形の大きな花で、太陽の熱を反射して、花の上を暖める。外気温より6度も高く、この暖かさで虫を呼ぶ。その代わり蜜はつくらない」
「ザゼンソウは、呼吸によって花が発熱し、外気温が氷点下でも約20度をキープする。実際に指で触っただけでは分からないが、この暖かさで虫を呼ぶ工夫をしている。さらに、ザゼンソウはすごい毒をもっているので、人間や熊にとっても良くないが、ヒグマが大変好んで食べる。冬ごもりのときにフンをしないので、それを食べて排泄を助けているのではないかと言われている」 と紹介していた。