小樽市民会館・市民センターマリンホール・公会堂の3施設の管理者が、小樽市から民間に変わったこの1年間で、約3,000万円もの経費削減効果が出ていることが分かった。
市の文化施設の小樽市民会館・市民センターマリンホール・公会堂の3施設は、2007(平成19)年度4月から指定管理者制度で、「イオンディライト・大幸総業グループ」に経営委託された。管理者の同社では、民間の柔軟な発想を活かした自主事業の取組みに力を入れた結果、利用者数の増加につなげている。「文化の発進基地として小樽を活性化」 (寺田龍吾館長) を合言葉に、この1年間、子供向けのアニメーション上映会やフォーク世代向けのコンサート、クラシックコンサートなど、様々なジャンルのアーティストなどを呼んだ。
この取組みで、2007(平成19)年度の市民会館の利用件数は121件・51,504人と、昨年度の113件・47,115人より、8件・4,385人もの利用者が増加。市民センターでは180件・48,361人と、昨年度の184件・45,278人より、2件減少したが3,083人増加した。公会堂は600件・27,773人と昨年度の580件・31,947人より、20件増えたものの利用者は4,174人減少した。
市生活安全課では、「自主事業を多くやってくれているので、利用者が増えている。市民が有効に施設を活用してくれているので非常に良い流れ」 という。
2006(平成18)年度で、市では、施設管理経費1億8,198万4,665円(職員給与6,706万563円・管理経費1億1,492万4,102円)かかり、3施設の使用料収入4,293万3,034円を引いても1億3,905万1,631円かかっていた。しかし、この民間委託に変わった2007(平成19)年度の委託料は、1億1,100万円の支出に抑えられた。このため、「単純計算で約3,000万円くらい市の持ち出しが減った」 (市生活安全課) と胸をなでおろす。
また、指定管理者契約は3年間で、2008(平成20)年度の市の持ち出しは1億852万5,000円、2009(平成21)年度は1億806万6,000円(予算)となっており、同社では、契約期間の3年間で市の持ち出しは約1億円も減らせることになるとしている。
最初の年度を終えて寺田館長は、「市民の方から、民間になって変わったと言われるようになった。小樽を活気づけたいと、自主事業の取組みに力を入れてきたからだと感じている。今年度も施設を生かすために、市民が楽しめるイベントをやっていきたい」 と話している。
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