絵葉書販売で像3体を修復 今春実施 


 市内各地に建つブロンズ像の修復を目指している「小樽の像を守る実行委員会」(事務局・小樽市民会館)は、修復に必要な費用が絵葉書販売で捻出できたため、5月から第1回の修復作業に入ることになった。
 この事業のための絵葉書販売は、小樽市民会館などの指定管理者となっているイオンディライト・大幸総業グループ(寺田龍吾館長)が呼び掛けて、昨年11月から本格的に始まっていた。
 同社が管理する小樽市民会館の敷地に建つ「藤山要吉像」が、錆びて「涙を流しているみたいだった」ため、自費修復したことが切っ掛けとなった。今度は、同館裏に建つ斎藤吉郎作の「少女の像」を絵葉書販売の収益で修復することにした。
 販売している絵葉書は、-OTARU-「像のある風景」と題した8枚組。「少女の像」や「藤山要吉翁像」、「消防犬ぶん公」、「小林多喜二碑」などの8像が選ばれている。
 この事業を知った多くの市民から次第に協賛が集まった。子供の時に、「少女の像」の製作者である斎藤吉郎氏にデッサンしてもらったという姉妹や、斎藤氏の血縁の人などからの寄付が寄せられ、45万円が集まり、像の修復費が捻出できるまでになった。さらに、東京にいる斎藤氏の息子さんから今後の協力も得られる予定だ。
 当初は、「少女の像」一体の修復を考えていたが、「絵葉書の制作費20万円を差し引いても25万円ほどあるので、もう少し増えれば三体分の修復が出来るようになる」 (寺田館長)と、斎藤氏が制作した、北運河にある「かもめを呼ぶ少女」と旭展望台にある「小樽市長 安達與五郎」の2像の修復も行うことを決めた。
 修復作業は5月から6月中を予定しており、市内の業者が科学洗浄・薬品処理などを施して、建立時の姿に戻す。「最初はとりあえず一体だけと思っていたが、たくさんの人の協力で思った以上に集まった。大変嬉しい」 と話している。
 今後は、市内各地にある像の絵や写真を公募して、上位に入賞した作品を絵葉書にして販売し、その資金を他の像の修復に充てる計画も進めることにしている。
 金がなく何も出来ない小樽市に変わって、自発的に市民が知恵と金を出し合い、市内各地に点在するブロンズ像が、劣化や汚損から修復されることになり、極めて注目される。
 問合せ:0134-25-8800 小樽市民会館
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