3期目の2年目を迎える山田勝麿小樽市長(69)は、新年度を前に、3月21日(金)17:00、市役所職員約300人を市議会本会議場に集め、「平成20年度を迎えるに当たって」のメッセージを送った。
この中で、小樽市の危機的な財政状況の中、平成18年度決算で「連結実質赤字比率」が、早期健全化の基準を超えていることで、平成20年度に「何としてもこの基準をクリアしなければならない」とし、「約5億5,000万円の財源不足を解消するために、更なる職員給与の削減に踏み込んだことで、職員に“心”から感謝しているところ」と述べ、財政再建では、「いまだ道半ばであります」 とした。
また、新病院の建設については、「新病院の建設よりも、公立病院改革ガイドラインの改革プラン策定が先決」とした。
メッセージの概要は、以下の通り
「まずもって、今回、平成20年度予算の編成に当たりましては、『収支均衡予算を編成すること』、更には『現状の市民サービスを可能な限り維持すること』この二つを基本に編成作業を進め、市民税・固定資産税などの一般財源収入が前年度と比較して6億円以上も減少すると見込まざるを得ないという状況の中、管理経費の圧縮や業務の民間委託の拡大等、歳出の削減に努めたほか、水道事業会計など他の会計からの借入や、公的資金の借換えなど、あらゆる財源対策を講じました。しかし、残念ながら約5億5千万円の財源不足を解消することができず、自治体予算の大原則であります「収支均衡予算」を編成するためには、更なる職員給与費の削減に踏み込まざるを得ないという、苦渋の選択をいたしました。職員の皆さんには、これまでも本市の『財政再建』に向け、職員数の削減や本俸を始めとした給与の独自削減など、様々な負担や協力をいただいてきました。しかしながら、財政再建が正念場を迎えている現在、何としても「収支均衡予算」を編成しなければ、赤字団体からの脱却は遠のくばかりとなりますので、今回、期末手当の削減について、断腸の思いで決断をしたところであります。結果として、職員の皆さんには、更に大きな負担をかけることとなってしまった訳でありますが、小樽市の財政再建のために御理解と御協力をいただき、心から感謝をしているところであります。
新病院の建設についての問題でありますが、昨年末、総務省は『公立病院改革ガイドライン』を発表しました。このガイドラインでは、病院事業を設置する自治体は、平成20年度中に『改革プラン』を策定することが求められており、本市におきましても、まず、この『改革プラン』を策定することが先決であると考えております。こうした中、不良債務の解消計画を着実に履行できるよう、引き続き経営改善に努めていくことが必要でありますし、公的病院等との再編ネットワーク化についても、検討を進めることとしております。いずれにしても、新病院の建設については、それらの結果を踏まえて進めていくことになるものと考えています」 と述べ、「最後に、皆さんの今後の更なる御健闘を心からお願いして結び」 とした。