「小樽短期大学」(入船4・林堯大学長・学校法人共育の森学園)が、3月14日(金)、最後の卒業生32人を送り出し、41年の歴史に幕を閉じた。
同校は、市内唯一の短大で、これまで6,596人以上の卒業生を送り出してきた。人口の減少や制度の見直しなどの影響で経営不振に陥り、14日(金)に最後の卒業生32人を送り出し、3月いっぱいで閉校する。
13:00からヒルトン小樽(築港)で行われた学位記授与式では、約30人の父母や関係者が見守る中、林校長から、袴やスーツ姿の卒業生たち一人一人に学位記が手渡された。32人の中には、91歳の社会人英語コース修了生・冨田恒さんの姿もあった。同窓生の腕を借りて、修了証書を受け取る姿に注目が集まっていた。冨田さんは、週2回、一人でバスやタクシーで余市から同校に通った。ひ孫のような年代の学生たちと机を並べ、熱心に勉学に励んだという。
卒業生代表の工藤育美さんは、「いよいよ小樽短期大学最後の卒業式となりました。2年間の間、小樽短大が閉校になるのではないか、転学しなければならないのではないかと、いつも不安を抱えながらの学生生活でしたが、先生方や周囲の人たちの支えで前向きにハードルを越え、卒業まで辿り着くことが出来ました。本当にありがとうございました。これから、社会人として責任を持って、社会に貢献したいと思います。最後の卒業生となり、母校がなくなることは寂しくて残念ですが、41年の歴史と伝統をしっかり受け継いでいきたい」 と、涙を流しながら挨拶した。
卒業式とともに閉学式が行われ、林校長は、同校の歴史を振り返り、「卒業生を送り出し、3月31日を持って閉校する。小樽短大の再建のため乗り出してきた高川(学園)は、先生と学生に授業に集中して下さいと話していたが、撤退することを新聞だけに発表し、一言の説明もなしに四国へ去っていった。大人の論理で若者たちを潰せないと、再建計画を練り直し、この共育の森学園の支えで、最後の卒業式を迎えることが出来た。なくなるのは寂しいが事実を受け入れ、何事にも全力に取組むことを切に望んでいる。小樽短大の理念と想いは共育の森に引き継がれる」 と最後の挨拶を述べた。
卒業生や父母、関係者が見守る中、林校長は、鈴木秀一理事長に学校旗を返納し、小樽短大卒業式と閉学式を終え、同校の41年にわたる幕を下ろした。
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