年1回の雪解け時期にだけ現れる“幻の手宮滝”が、昨年より3週間も早く登場し、その水音が小樽に春の到来を告げている。
“幻の手宮滝”は、市内手宮から祝津に抜ける道道小樽海岸公園線の手宮洞窟保存館(手宮1)脇に出現する。手宮公園に積もった雪が解け出し、北海道鉄道発祥の遺産でもあるレンガ積みの擁壁を流れ落ちる。
3月に入り、市内の気温は急上昇し、暖かい春の陽気が続いていた。このため、昨年より3週間も早く手宮公園の残雪が解け出し、“幻の手宮滝”が出現した。
快晴となった8日(土)、まだ解け出す水の流れは弱く、遠くからでは滝の姿が確認しづらいが、近くによると、やさしい水音が奏でられ始めている。雪解け水の滝の流れで、春の到来を実感することが出来る。
今後、さらに気温が上昇すると、流れ落ちる雪解け水の量が増え、本格的な滝となる。季節の移ろいとともに、早春のわずかな期間だけに姿を現すこの“幻の手宮滝”は、雪国小樽に、いち早く春の到来を告げる風物詩ともなっている。