開会中の小樽市議会第1回定例会(3月議会)は、3月3日(月)13:00から本会議場で、自民・共産の会派代表質問を行った。
前田清貴(自民党)と北野義紀(共産党)の2議員が質問に立ち、財政問題と市立病院問題を論議した。
前田議員は、「平成19年度予算では、普通交付税が約3億3,500万円の予算割れとなった。本定例会の補正後の予算上の実質赤字額は約14億4,500万円で、平成19年度決算見込みの状況は。また、財政健全化法の指標の連結赤字比率などは、19年度決算見込みでどのような数値になるのか」 と質した。
山田勝麿市長は、「歳入では、普通交付税が3億3,500万円の減額となったことに加え、市税の法人市民税やたばこ税などで減収が見込まれる。歳出では、一定の不用額が見込まれるものの、2月に入ってからの連続した降雪の除排雪経費の増高により不足を生じる見込みとなっており、補正予算の追加提案を予定している。現時点では不確定な要素が多くあり、残された期間、引き続き、歳入の確保等に努めながら、単年度収支の均衡に向けて努力してまいりたい」 と答弁した。
また、「今回の期末手当の削減と役職加算の凍結は単年度限りの措置なのか。それとも、複数年度にまたがり継続して行く可能性があるのか」 との質問に対し、「今回の労使協議の中では、毎年の財政状況を見極めながら協議をし、決定していくこととしており、今しばらくは削減の協力をお願いしなければならない」 と、今後も市職員に協力を求めることを明らかにした。
市立病院問題では、「ガイドラインの支援措置では、総務省が派遣する地方公営企業等経営アドバイザー制度があります。同制度を活用して経営指導を受けて見ては如何か」と質問。「短期間で集中的に改革プランを策定する必要があり、その策定過程で、外部有識者の参加をお願いし、ご意見をいただきたい」 と答えた。
北野議員は、財政問題で、「早期健全化基準では、実質赤字比率・連結実質赤字比率・実質公債費比率・将来負担比率の4つの基準を設けている。小樽市の場合、平成18年度決算で試算したら連結実質赤字比率が早期健全化基準を超えているとのこと。この基準を満たさなかったら、今度はどういう計画を提出しなければならないか。小樽市はすでに財政健全化計画を策定しているが、これとの関連について説明を」 と質問。
山田市長は、「平成18年度決算で試算すると実質赤字比率は3.7%、連結実質赤字比率は18.1%、実質公債費比率は20.2%となっており、平成19年度決算見込みで、実質赤字比率は4.5%、連結赤字比率は19.9%となっている」 と答えた。
また、「普通建設事業費は削減に次ぐ削減で、ピーク時の1993年度の2割弱まで落ち込んで、生活環境整備が遅れ、市民に迷惑をかけ、市内経済に大きな打撃となっている。平成18年度の決算額でいくら減少しているか、健全化計画最終年度ではいくらまで削減するつもりか」 と質問。「平成19年度の一般会計の決算額は14億7,363万円で、ピーク時の平成5年度の121億3,211万円と比較するすと、106億5,848万円、88%の減となります。現在の財政健全化計画の最終年度である平成24年度では、7億1,300万円を見込んでおります」 と答えた。
市立病院問題では、「一般会計で負担が義務付けられる経費は具体的には何か、想定される繰出しの額はいかほどか、一般会計で負担可能か」 と質問。
「改革プラン策定の中で、不良債務解消のための繰り出しなども含めた一般会計からの繰出金については、一般会計負担のあり方について算出根拠を明らかにした上で、繰出しに係る一定のルール作りをしなければならないと考えております」 と答弁。
「特に議会でも議論になった病床利用率について、市長は『小樽病院は3か年平均70%維持しているから心配ない』と答弁していましたが、入院患者数の割合を実稼動病床数か許可病床数か、どちらで答弁していたのか。許可病床数一床あたり48万9,000円交付税措置されており、常識的には許可病床数で割り返すのではありませんか。そうであれば小樽病院は入院稼動率70%を切るのではありませんか。ガイドラインの病床利用率はどれを指しているのか」 と質した。
「病床利用率については計算方法は示されておりませんが、一般的には許可病床数に対する利用率を指すものと考えております。現在の両市立病院の感染症病床2床を除いた許可病床数は868床で、過去3ヵ年の利用率は、16年度は64.9%、17年度は60.5%、18年度は49.6%。医師数の減などに合わせて、経営効率化のため休棟などを行ってきており、実稼動病床数は現在529床で、19年度の利用率は70%程度になる」 と答えた。
さらに、再々質問で、「一番新しい指標の率を教えてくださいと質問したら、平成20年度予算の指標を教えてきた。それは意味がない。それはあんた(樽病事務局長)の願望だから、説得力がない。願望を喋られたって意味がない。いつも狂ってるんだから。平成20年度のことについて調子良い話をしているけど、医師や看護師が辞める予定はないのか、代替の医師が来る予定があるのか、みんなが心配している。20年度4月1日以降、どうなっているのか、心配ないならそれで良いけれど、医師数は診療報酬や医業収益に影響するんだから」 と迫った。
小軽米文仁・樽病事務局長は、「19年度最終予算見込みで、経常収支比率では92.3%、医業収支比率では90.9%、職員給与費対医業収支では56.2%、実稼動のベッド数では70.5%の予定。確定している退職者で補充出来ない医師は、整形外科医1名が3月で退職する。あと、予定では、整形が秋にもう一人退職する。内科の呼吸器の医師も1人辞める。これの補充についてはなかなか難しい」 と答えた。
3月4日(火)の会派代表質問には、高橋克幸(公明党)・佐々木勝利(民主市民連合)・大橋一弘(平成会)の3議員が立つ。