かつての小樽を支えた「ニシン漁」について学ぶ、博物館ゼミナール「小樽学」が、3月16日(日)10:30から、小樽市総合博物館(手宮1)で開かれた。「小樽学」は、16日(日)・23日(日)・30日(日)の3日間で開かれ、3人の専門家により、ニシン漁についての講演が行われる。
16日(日)の第一回目には、約60名の参加者が集まり、浅野敏昭・余市水産博物館学芸員の「ニシン漁場の働き手」の講演に耳を傾けた。
浅野学芸員は、大正11年の資料から、北海道では63万石のニシンが獲れ、後志ではその半分の31万石が揚がり、このうち余市では4~6万石と説明。沖揚げ日には、生にしんを販売し、その後、ミガキやカスを製造。当時の男の出面(でめん・日雇い労働者)は31人で、沖揚げ、ツブシ、ツナギ、サキ、カマタキ、カス、納屋、結束などの作業をした。女の出面は27人で、ツブシやツナギ、サキなどの一部の作業を行ったという。
これらの作業が約2週間で行われており、「一人の作業量にすると大変な量で、この作業量をこなすために、出面が長時間働いていたのか、それとも他に理由があったのではないだろうか」 と推測していた。
23日(日)は、山口幹人・北海道中央水産試験場資源予測科長の「魚としてのニシン」、30日(日)は、三浦泰之・北海道開拓記念館学芸員の「史料からみたニシン」が行われる。いずれも10:30から12:00まで。料金は、通常の入館料。
◎小樽市総合博物館