赤字拡大「早期健全化団体」へ!市議会第1回定例会閉幕


 小樽市議会第1回定例会(見楚谷登志議長)は、3月19日(水)13:00から本会議を開き、平成20年度一般会計予算など市長提案の51議案を全会一致・賛成多数で可決し、閉会した。
 新年度予算などを審議する第1回定例会は、2月27日(水)から3月19日(水)までの22日間の日程で行われた。市側からは、平成20年度予算や平成19年度の補正予算、条例改正案など51議案が提出された。
 平成19年度予算の赤字額は、約14億4,500万円となり、平成18年度の赤字額約11億8,400万円を約2億6,100万円上回ることになった。さらに、除雪費約1億円を追加補正したことで、平成18年度決算で18.1%だった連結実質赤字比率が20.2%に跳ね上がった。
 小樽市の標準財政規模の連結実質赤字比率の基準値は16.7%で、平成18年度では1.4%上回っていたが、これが平成19年度予算では3.5%上回ることになった。このため、平成20年度予算・決算で、この14億4,500万円の赤字額をカバー出来ない場合は、地方公共団体財政健全化による「早期健全化団体」に該当し、起債や単独事業が制限されることになり、小樽市独自では、何も出来ない状態に陥ることになる。
 市では、「早期健全化団体」の転落回避が、今年最大の課題としているが、さらなる赤字額の拡大での不足分は、容易には埋めることが出来ないもので、平成20年度決算次第では、地獄の道への扉を開くことになる公算が大きくなった。
 一般会計の赤字拡大の要因となっている病院事業会計の平成20年度予算編成のズサンさを指摘していた商大院生の成田祐樹議員は、19日(水)の本会議の予算特別委員会の採決で、本会議場を出て、採決を棄権し、反対の意思を示した。なお、一般会計予算や病院事業会計予算などの採決では、自民、公明、民主・市民、平成の4会派が賛成し、共産が反対した。
 採決を棄権した成田市議は、「本会議の採決で平成20年度病院会計予算に反対したかったが、所属する平成会の態度が賛成という中で、3人しかいない会派の意見が割れるということは、会派としての存在意義が問われ解散の危険にもなりうるので、今回は予算特別委員会の採決を棄権する形で反対の態度を示した。今、病院問題が大きく転換しはじめた中で、無所属では予算特別委員会などで質疑することが出来ないので棄権した」 と、病院会計に対する反対の態度を明確にした。 関連記事1 関連記事2  
 これらを含む市長提案の全51議案は、全会一致や賛成多数で可決した。議員提案の議員報酬削減も可決した。また、「道路整備に必要な財源の確保に関する意見書案」や「地域の実情を反映した公立病院特例債の発行要件の緩和を求める意見書案」など意見書12件が承認され、第1回定例会はその幕を閉じた。
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