市街地活性化計画(素案)に意見、第4回協議会


sigaiti.jpg 「小樽市中心市街地活性化協議会」(鎌田力会長)の第4回協議会で、小樽市から基本計画(素案)が示された。
 市が示した基本計画(素案)では、「まちなかのにぎわいを創出する」、「まちなかで暮らす」、「まちなかで滞在する」、「まちなかの歴史的資源を活かす」の4つの方針となっている。
 中心地市街地の区域は、北側(市道西通線・手宮川通線)、東側(小樽運河)、南側(市道住初線)、西側(JR小樽駅・市道新通線)に囲まれた約180ヘクタールで、これまで示していた区域よりも30ヘクタール縮小されている。市は、入船線から小樽病院と協会病院まででは、にぎわい作りの事業が行われていないため、国からの指導で区域外としたとしている。マップ
 基本計画(素案)では、歩行者通行量や市街地居住者、宿泊者数などを増やすための66事業を取りまとめている。
 「居住者及び来街者の回遊性を高め、まちなかのにぎわい創出及び商店街振興を促進する」ためには、駅前第3ビル再開発や歩行者用案内標識の整備、旧手宮線活用検討事業、大規模小売店舗特例区域の指定要請などの45事業を挙げている。市は、これらの事業の実施で、現在の中心市街地の歩行者通行量29,627人から31,700人に増やすことを目標としている。しかし、この45事業の中で36事業が民間主体で、大半が民間まかせの活性化計画となっている。事業一覧(目標1)
 「安心して子育てができ、冬期間でも快適に暮らせる生活環境を整備し、まちなか居住を進める」ためには、駅前第3ビル再開発や病院・高齢者住宅整備・空き家バンクなどの4事業を実施するという。これにより、中心市街地の居住人口は、14,455人から15,000人に増えると計算している。事業一覧(目標2)
 「滞在型観光への移行を図り、訪れる観光客のまちなかでの宿泊を促進する」ためには、駅前第3ビル再開発や小樽運河浄化対策、歴史的建造物活用の新たな観光スポット整備などの12事業を行うとしている。市の事業は、小樽運河浄化対策のみで、中心市街地の宿泊客数が現在の438,846人から455,000人に増えると計算している。この中で、外国人宿泊者数38,000人が見込まれているが、この6割が区域外のヒルトンホテル利用者とし、協議会委員から、数値目標のあいまいさに疑問が続出していた。事業一覧(目標3)
 「まちなかでの歴史的資源の活用促進」のためには、旧手宮線の活用検討、歴史的建造物保全、小樽ファンが支えるふるさとまちづくり寄付条例の活用など5事業を実施する。これで、歴建施設の利用者数を3,596,000人から4,370,000人に増やすという。事業一覧(目標4)
 市は、2012(平成24)年度までにこれらの事業を行い、目標の達成を目指すとしているが、各委員からは、「数値あわせに過ぎない。実際にどうすればこの数字になるという根拠がわからん」、「市民を交えて、色々な案を計画に盛り込む必要がある」、「市民の意見を吸収する必要がある」などの意見が出された。
 市では、今後、市民の意見を聞くため、パブリックコメントを行うことにしている。
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