「私の学問と実務」 商大・秋山学長の最終講義


akiyama1.jpg 小樽商科大学(緑3)の秋山義昭学長の退任記念最終講義が一般公開で、1月30日(水)14:30~16:00、同大4号館で行われた。
 今年3月31日で2期6年の任期満了を迎える秋山学長(在職39年)の最終講義は、「私の学問と実務」。専門の行政法学との出会いから、国家賠償法・行政争訟法の研究が裁判実務に影響をどのように与え、社会活動でどのように生かされたかなど。
 会場には、学生や職員をはじめ、経済界や一般市民など約150人が集まり、秋山学長の最終講義に熱心に耳を傾けていた。
 秋山学長は、学長としての実務について、「平成4年に学生部長に選出され、学務、就職、国際交流、入試などすべてをやるため超多忙だった。好きな勉強をし、学生と交流し、幸せな家庭生活を送っていたが、学長に選出されたときは、晴天の霹靂だった。私の人生に狂いが生じた」 と会場の笑いを誘った。
akiyama2.jpg 「平成16年、国立大学から法人化されたときは、明治以来の大改革と言われた。国の機関から、ある日、突如民間になり、まったく意味が分からなかった。手探り状態で準備をしなければいけなくなった。組織系統の見直しや、職員が公務員から非公務員になったり、どうしたら良いか分からなかった。給与体制や財政も変わった。振りかえると、法人化の狙いは、自立や自主性を高めるためで、良いところもあった。いままでは、文部科学省に予算請求し、お伺いをしてきたが、法人化によってメリハリの利いた予算執行が可能になった。あるときは、日本酒を作ったり、切手を発行したりした。
 小樽商大は小樽あっての大学。小樽は、小樽商大あっての小樽。小樽商大には魅力がある。3年後に創立100周年を迎えるが、これまで培ってきた伝統と財産がある。国立唯一の単科系のユニークな大学で、他大学からも必要とされることもある。社会にアピールし、学生を惹きつける魅力がある。地域社会との結びつきも深いが、最近は、地元市民との交流が希薄になっているので、取り戻したい。今年度は、学生の中から2人も市議会議員に当選し、全国的なニュースにもなった。良く頑張っているようだ。ぜひ、これからも全国に魅力をアピールしてもらいたい。学長になって苦労話は沢山あるが、よかったことは、市民や経済界、政界、自治体関係者、マスコミの方々など色々な人に知り合えたこと。今後は、商大OBとして大学の発展を見守り続けたい」 と、商大への期待とエールを語った。
 最後に、学生や行き付けのスナックのママさんなどから花束が贈られ、会場から大きな拍手が広がっていた。
 関連記事