福島県矢祭町の町議会(定数10)が、議員報酬を現行の月額制から日当制にする議員提案の条例案を全国で初めて可決し、地方議会に重い一石を投げ掛けている。
「合併しない宣言」で知られる矢祭町(人口6,800人)の町議会は、12月28日に開会した臨時会で、議員提案の議員報酬の日当化に関する条例案を、議長を除く賛成7人、反対2人で可決した。
議員報酬の日当制は、全国初の試みで、これにより、人件費は、現行の年間約3,470万円から2,500万円減り、約900万円にと大幅削減される。施行は、3月31日から。
新条例では、議長30万円、副議長22万7,000円、議員20万8,000円の月額報酬を廃止し、日当約3万円を実費支給とする。町議会や委員会などの正規の会議や町の主催行事に出席した場合に支払うと規定している。支給の限度額は、一人年間90万円とし、期末手当(ボーナス)も廃止される。
小樽市では現在、市議会内に活性化検討会議を設置し、活性化策を探っているが、ここまで踏み込んだ論議はなされていない。小樽市の財政は、3年連続の赤字経営となる破綻状態だが、わずかな報酬カットが行われているに過ぎない。市議会議員(定数28)の月額報酬は、議長50万7,300円、副議長45万7,900円、議員41万8,950円で年間総額1億4,229万4,800円となっている。
また、期末手当として、昨年6月に夏のボーナスが、議長127万8,396円、副議長115万3,908円、議員105万5,754円(新人9議員31万6,726円)、昨年12月に冬のボーナスが、議長140万148円、副議長126万3,804円、議員115万6,302円の総額5,595万8,460円支給されている。
議員報酬と期末手当(ボーナス)の総額約2億円は、矢祭町と同じ日当制にすれば、大幅な削減が可能となる。
3年連続の累積赤字や巨額の借金でニッチモサッチモ行かない小樽市財政の中で、矢祭町議会が提起した問題は、市議会のあり方を含めた極めて重い一石として、市議会や市民に投げ返されている。