正月の三が日が明けて、4日(金)から仕事始めとなった小樽市役所で、山田勝麿市長が年始市長記者会見を開いた。
市長は、昨年4月の統一地方選を振り返り、財政再建や新病院問題、北海道洞爺湖サミット、小樽駅前第3ビル周辺地区再開発事業など、今後の取組みについて話した。
財政再建では、「財政再建に取り組んでいるが、三位一体の改革によって地方交付税の削減が、市に大きな影響を与えた。このことが、地方の活力を失っている原因ではないかと考えている。全国市長会でも、地方交付税が持っている機能の堅持と総額の確保を要望してきた。国の20年度予算では、これまでの削減の流れを止めて増額へ転じたが、小樽市への影響はまだわからない。行財政改革は、なお一層取り組んでいきたい」とした。
新病院建設問題では、「新病院は、選挙の争点ともなったが、用地の購入の延期、基本設計の業務を一時中断することになった。このことで、もう諦めたのではないかという声が耳に入るが、老朽化した二つの病院の統合新築は必要な事業でありますので、早期に再開できるよう全力で取り組んでいく。国のガイドラインも年末に示され、詳細は分からないが、経営努力を進めていきたい」と述べた。また、医療機器の更新のための起債については、市長自ら総務省の担当者と話し合ったとし、「感触は良かった。ダメだとは言われなかった」とした。
今年7月の北海道洞爺湖サミットについては、「サミットを記念して朝里ダム湖畔(2,000平メートル)に5,000本の植樹を行いたい。北海道千年の森プロジェクトや小樽青年会議所の協力をもらって市民参加の植樹祭を開催したい」と話した。
確認申請の許可が遅れていた小樽駅前第3ビル周辺地区の再開発事業では、「年末(12月28日)に確認申請が降り、いよいよ着工に入る。小樽の顔として活性化してもらえれば良い」とした。建設工事は、業者の正月休み明けの1月中旬からスタートするという。
昨年3月に1億7,900万円で購入したJR小樽駅前中央通りから旧交通記念館までの旧手宮線(1,160m)の整備については、2月までに市民による懇話会を立ち上げ、概ね1年間で活用方法などの議論を行い、方向性を見出していくとした。
これまで、水道週間の期間だけ開放していた奥沢水源地を、6月から冬期間を除いて一般開放することに。
クルーズ客船では、昨年の入港9隻から10隻に増えると述べた。「にっぽん丸が小樽港を拠点港として道内を周遊する“飛んでクルーズ・北海道”が好評で、1航海増便する予定で、さらに、国内クルーズ客船の4隻すべてが入港することになっている」とし、市民による客船歓迎市民クラブを立ち上げて、出迎えや見送りなどを行う体制を整えると語った。
また、市長は、市の幹部職員約200名を議事堂に集めて、「平成20年仕事始めの式」を行い、「収益を出してもコスト削減の手綱を緩めない危機感の醸成力がトヨタの強さの一つでありますが、それ以上に成長の原動力は人づくりにあると言われています。皆さんには、昨年策定した市の人材育成基本方針をもう一度読み返していただき、人づくりのためできることから取り組んでいただきたい」と挨拶した。こちら