新市立病院問題を質疑!市議会 代表質問2日目


 小樽市議会第4回定例会(12月市議会)は、11日(火)13:00から本会議を開き、10日(月)に続き会派代表質問を行った。
 会派代表質問には、公明党・斉藤陽一良、民主市民連合・林下孤芳、平成会・成田祐樹の3議員が立った。3議員とも、新市立病院建設の基本設計の一時中断解約や用地購入の先送りなどについて質疑を行った。
saitoyo.JPG 斉藤議員は、行財政改革で、「平成20年度組織・機構の見直しによる職員の減員数と財政効果額は」と質問した。
 山田勝麿市長は、「病院の医療技術者や消防職を除き、改変前と比較して、全会計で約60名の削減を見込んでいる。職員削減による効果のほか、臨時職員や委託化による管理経費の減もあり、トータルで約5億円の削減を見込んでいる。委託化や再任用等の雇用に伴い、2億2,000万円程度の経費が必要となり、差引きしますと、2億8,000万円となる」と答弁。今後は、市民税課と資産税課の統合や、スポーツ・文化行政の市長部局への移管などを検討し、可能なものから実施していくとした。
 新病院問題では、「新病院の規模の見直しや建設地について、学校適正配置計画を見極めてから用地取得を進める考えはないのか」に対し、「現在の構想はコンクリートしたものではなく、状況の変化に応じ、必要な見直しは行っていく。建設地につきましては、何度も説明してきたとおり、現在計画を進めております築港地区以外にはないものと考えている」と、築港ありきの従来の答弁を繰り返した。
hayashishita.JPG 林下議員は、「市長は、国のガイドラインをどう受け止めているか」と質した。
 市長は、「このガイドラインは、公立病院改革に係るプラン策定に際しての技術的助言とされておりますので、これを尊重すべきと考えておりますが、具体的な財政支援措置が今後どのようになるのかまだ見えない中では、評価は難しいものと思っている」と答えた。
naritayu.JPG 成田議員は、「公立病院ガイドライン案によると、現計画の新市立病院建設は実現が極めて厳しいものになる」と、3つの問題点を指摘した。
 「まず問題の一点目に、病院運営の赤字補填に対して一般財源からの繰り出しを認めないという点がある。今までも膨大な額の繰出をしており、今後も5年間で92億というとてつもない金額を予定しているという状態です。20年度以降は、根拠の無い繰出を認めないという方針から大きく外れてしまいます。
 二点目に、3年連続して病床利用率70%未満の病院は抜本的改革が必要と記されている点です。小樽市立病院におけると70%に到達しそうなのは本年度だけであり、それ以前の利用率は65%前後で推移しています。この部分においても、小樽市は到達しているとはいえない状態です。
 三点目に、官民の病院が並立している場所においては、再編・ネットワーク化を進めて、施設・設備整備に要する経費を必要最小限度に抑制するように、と記されている点です。第一病院の目の前には協会病院もあり、市内には他にもサイセイ会病院など民間病院が多数あります。その点の連携を含めての話し合いが行われてきたとは思えません。
 以上の3点を踏まえ、ガイドラインに照らし合わせると、国の方針とは大幅にずれていると考えられます。今後の市立病院建設について、ガイドラインを策定した国の方針に従うのか、小樽市独自の方向性で進めていくのか」と質問。
mayor1.JPG 市長は、「このガイドラインは、公立病院改革に係るプラン策定に際しての技術的助言とされておりますので、これを尊重すべきと考えますが、それぞれの自治体病院ごとの、その置かれた状況に違いがありますので、年末に示される財政支援措置の内容などを見定めたうえで、小樽市として判断したい」と、これまでと同様の答弁を繰り返した。
 さらに、「契約解除した基本設計の委託業務分の請求額が、一体どれくらいであるのか。今後も起債の見込みが立たずに、病院計画が頓挫した場合、起債許可の見込みが無いのに基本設計を実施したという責任問題が発生する。ただでさえ厳しい財政の中でこの判断ミスはあまりに重い。この判断に関わった市長を始めとする市の幹部職員、そしてその採決を行った議員にも、この費用の返還をする必要がでてくるのではないでしょうか?そうでなければ、ただの税金の無駄遣いであり、市民にとっても納得がいかないのではと思います。私自身は4月から付託を受けたため、この病院設計に関わる採決に関わる事ができませんでした。しかし、そうであっても、議員という責任の下から、自らの歳費から返還する覚悟でおります。今後の責任問題について、今一度ご見解をお示しください」と、市議会で一番若い商大院生市議らしく、理事者を追及した。
 市長は、「現在、設計者から提出された資料に基づき、業務の既成部分の確認と、これに対応する委託料を算定するための作業を進めている。でき次第議会に示したい。今年度に入り、病院事業の収支や地方交付税の動向など状況が大きく変わってきたため、基本設計業務を一時中断せざるを得なくなったことは大変残念でありますが、統合新築についての方針には変わりはございませんので、今後の病院事業の収支状況や国の地方交付税対策などの動向を見極めながら、再開に向け努力したい」と答えるに留まった。
 さらに、成田議員は、責任問題について、「状況が大きく変わったと言うのは分かるが、突拍子なく変わったのでは無く、議会の中でも議論があり兆候もあったのに、早めに察知できなかったのはなぜか。継続して基本設計の委託契約が続き、病院建設が続くという確証がないのであれば、病院が出来なかった時の責任を考えなければならないのでは。100%出来るという確証があるのか」と、再質問で迫った。
 しかし、市長は、「何回も説明したとおり、地域の医療を守るために、開院時期が遅くなるが、やらなきゃいけないと思っている」と、あくまでも建設続行の姿勢を崩さなかった。
 12日(火)は、一般質問が行われる。
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