市内銭函の海岸で見つかった野生の巨大トドが骨格標本となって、小樽市総合博物館の運河館(色内2)第二展示室に登場した。
この巨大トド(オス)は、昨年3月、市内銭函の新川河口付近で発見された。博物館に立ち寄った市民から、トドの死骸が流れ着いていたとの情報を受け、すぐに学芸員らが足を運んだ。
死骸の状態が良く、全長3m20cm・体重1トンの巨大なトドだったことから、同館では、全身骨格にすることを決めた。トドとしては最大クラスの大きさだとしている。小樽ライオンズクラブから約100万円の資金を得て、剥製専門業者に依頼し、骨格標本を完成させた。
完成したトドの骨格標本は、小樽市総合博物館のオープンに合わせて、7月14日(土)から企画展示室で初公開されていた。この企画展が終了したことで、10月22日(月)から、同館運河館の常設展「小樽の海の自然」で展示されることになった。
「野生のトドが生息するのは、小樽の海が豊かだという象徴。彼らの存在は、小樽の海の懐の深さを教えてくれる。生きているトドには、中々近づいて見ることが出来ないので、骨格標本でトドの仕組みを学んでもらいたい。小樽の自然の豊かさと地域社会と自然との間にある問題について考えさせてくれる。骨格から、意外に首が長いことが分かって面白い」(山本亜生学芸員)と、多くの人の来館を呼びかけている。