JR小樽駅前中央通り沿いの北陸銀行小樽支店(稲穂2)で、10月16日(火)15:00、銃声とともに「金を出せ」の怒声が飛び交った。
これは、小樽警察署(富岡1・山本賢治署長)による模擬強盗訓練。今年に入り、小樽信用金庫の支店を狙った強盗事件が2件発生したことを受けて実施された。訓練は、15:00の閉店間際に、2名の強盗犯が店内に押し入り、職員を脅迫して現金を奪って逃走する設定。
15:00の閉店とともに、灰色の作業服にサングラスや帽子で顔を隠した警察官が演じる強盗犯2名が、銃声を響かせながら「金を出せ」と店内に侵入。カウンターに上り、「手を上げろ」、「電話に出るな」、「下がれ」と大声で叫んだ。男性職員に、黒いバッグを手渡し、金を要求した。男性職員が約200万円を入れたバッグを渡すと、強盗犯たちはすぐに店内を立ち去った。
訓練は、約1分間程度の一瞬のものだったが、参加した20名の銀行職員たちは、訓練だと想定していても、犯人役の警察官による本番さながらの迫力ある怒声や銃声に驚いていた。女性職員の中には、悲鳴を上げたり、涙を流したりする人もいた。
訓練を終えた小樽警察署の郷久嘉一生活安全課長は、「犯人が立ち去るまでは30秒から1分程度だった。ケガをしないで、犯人の特徴を良く見て、犯人逮捕に協力してもらいたい。お客さんを早く逃がすように配慮出来ればベスト」と講評した。
北陸銀行小樽支店の稲村信治総括副支配人は、「訓練と知っていても泣いてしまう人も出た。ケガ人が出てしまうことが一番怖いので、まずは安全の確保をしながら対応したい」と話していた。