秋の気配が日増しに濃くなるにつれ、小樽市街を流れる勝納川に、多くのカモ(鴨)が飛来し、優雅に水面を泳いでいる姿が見られるようになった。
奥沢地区から小樽港まで流れる小樽勝納川の両岸には散策路がつけられ、川に沿ってゆっくりと散歩が楽しめる。秋の深まりとともに、この勝納川にサケが遡上し、水面にはカモの群れが集っている。
集まっているのはマガモで、全長約60cmほどの水辺の鳥。黄色い口ばしが特徴で、オスは、頭部が緑色の光沢で、胸には白い帯がある。メスは、褐色の斑(まだら)模様で、オス・メスの区別が一目で分かる。冬鳥として、飛来し、河川や湖、池で群れをつくる。
川の下流の勝納橋から真砂橋、高砂橋にかけて多く見られる。逆立ちをして潜り、水中の水草を食べたり、羽を休めたり、水面を泳いだりしながら生息している。
南樽市場では、魚屋のおばさんが、わざわざパンの切れ端を買って、このカモたちに餌を与えていた。「もう5年間もやっているのよ。パンは、いつも買っている。いつもは、50匹以上が集まってきて可愛いのよ」と、パン切れを川に投げ入れていた。また、子供連れのおばあさんも、パン切れをカモに与えていた。
秋の深まりとともに、サケの遡上とカモの飛来で、小樽勝納川には、冬を告げる生物の営みが繰り広げられている。市街の川で、散策のついでに小樽の自然の豊かさを実感出来る。
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