小さな啄木像 小樽に誕生!文学館特別展で披露!


takuboku.jpg 今年で、石川啄木が来樽して100年を迎える。道内には、函館、札幌、釧路の3ヶ所に、啄木の銅像が設置されているが、小樽には銅像はなく、3つの歌碑しか存在しなかった。この来樽100年を記念して、小樽初の啄木の銅像が誕生した。
 小樽に初めて誕生した啄木の銅像は、道内各地にある具象的な銅像とは全く違う。全国初の抽象的なデザインで、高さ47.5㎝・横幅29㎝・厚さ1㎝の小さなブロンズ像となっており、関係者から注目を集めている。
 このブロンズ像を作成したのは、市内観光案内所「運河プラザ」前に設置されている消防犬「ぶん公」像を彫ったことで知られる、彫刻家・水谷のぼるさん。小樽文学館が、啄木が来樽して生活していた約4ヶ月間に合わせた特別展「石川啄木と小樽日報」(2007/9/8~2008/1/20)開催のため、水谷さんに製作を依頼。「本を読んでもらって、啄木のイメージを考えてもらった」という。
 このブロンズ像が、9月8日(土)から、文学館の特別展でお披露目される。完成した銅像は、「これまでの銅像は、生真面目で凛とした像が多かったが、フワフワのん気な明るい啄木を表現したかった」(水谷さん)。袴姿で、両手を広げ片足で立つユニークな啄木像となっている。文学館の玉川薫副館長は、「非常にユニークな像に仕上がっている」と完成した像を見つめていた。
 企画展では、この全国初の抽象的な啄木像や、地方新聞記者としての啄木、短命に終わった地方紙「小樽日報」についての資料や写真が展示される。入場者には、北大図書館に唯一残っている「小樽日報第3号」(明治40年10月24日発行)の複製コピーと当時の印刷機で刷った啄木のイメージ名刺のプレゼントもある。
 10月13日(土)には、小樽啄木会と文学館との共催で、記念講演会「漂泊者啄木と北海道」(講師・桜井健治氏)や朗読と歌の夕べ「啄木によせて」も行われる。
 関連記事