アジア人初のアカデミー賞(助演女優賞)を受賞した、小樽出身の女優・ジャズシンガーのナンシー梅木さん(78)が、8月28日(火)にアメリカで亡くなったことがわかった。
ナンシー梅木(本名:梅木美代志)さんは、1929(昭和4)年に小樽市で生まれた。稲穂小学校を卒業して、現在廃校の小樽緑ヶ丘高等女学校の在学中に、米軍キャンプで歌うようになり、上京して歌手になった。
ハスキーヴォイスで、一躍人気のジャズシンガーとなった。英語の発音が上手なことでも有名だった。1955(昭和33)年に渡米し、テレビ番組に出演したことで注目を浴び、映画界入りした。
映画「サヨナラ」で、第2次大戦後の日本で米兵と恋をして心中する日本人女性を演じて、アカデミー賞の助演女優賞を受けた。その後もミュージカルなどで活躍したが、1972(昭和47)年に引退した。
8月28日(火)にアメリカ・ミズーリ州の養老施設で、がんのため死去し、多くのジャズファンの惜しむ声が上がっている。
市立小樽文学館では、9月2日(日)まで、企画展「昭和歌謡全集小樽編」が行われており、小樽にゆかりのある歌手として、ナンシー梅木さんのレコードや当時の雑誌などが展示されていた。
市内でグルービージャズ喫茶を営むジャズファン・野田弘之マスター(64)は、「小樽の宝みたいな人。日本で第1号のハスキーヴォイスの歌手で、人気も一番だった。CDとレコード、当時の雑誌を持っていたので、小樽文学館の企画展に展示もしていた」と惜しんでいた。
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