小樽市消防本部(仲谷正人消防長)は、火災などの出動時に着用する防火衣を、20年ぶりにリニューアルした。「従来の防火衣よりも優れ、災害現場での活動がより一層迅速に的確に図られる」(市消防部)と期待している。
市消防本部の防火衣は、1987(昭和62)年から使用していたアルミックス製だった。コート式の上着と銀の長靴で、腰の下半身は保護されていなかった。
今回リニューアルした新型防火衣は、ISO規格(国際標準化機構)を基準として製作され、ケブラー繊維を使用したアルミ蒸着式となっている。銀色の上着と紺色のズボンの上下セパレート式で、従来型と比べて、遮断性、耐熱性、防護性、快適性など、すべてにおいて優れているという。
瞬間耐熱温度は、これまで700~800℃だったが、1,000℃~1,200℃に。生地そのものが燃え出す温度も250~270℃だったが、420℃と約2倍。さらに、柔軟性もあり動きやすく、屋根上での活動時に有効的だとしている。価格も約3倍で、1着約15万円もする。
8月31日(金)に行われた小樽市総合防災訓練で、初めてお披露目された銀と紺の上下の防火衣には、オレンジと白の蛍光マークが付けられている。これまで着用していた丈の長いコート衣から短い上着に変更され、動きやすさは、一目で明らかになっている。市消防本部職員の安全と市民の安全を守る新型防火衣に期待が高まる。
仲谷消防長は、「長い間の懸案だった。危険の中に真っ先に入り、火だけでなく様々な障害物があり、以前は腰周りが無防備だったので、これで最低限の保護が出来るようになった」と期待を寄せる。
今回導入されたのは、職員の約半数の123着。残りの半数は、市の財政難で、2010(平成24)年までに、随時導入することにしている。