小樽市では、人口減少が続いている中で、生活保護を受ける世帯数は、ここ10年で増え続けている。市が、9月7日(金)から開会する第3回定例会に示す、2006(平成18)年度決算見込みの数字では、3,468世帯が生活保護を受けており、10年前の1997(平成8)年度の2,457世帯から1,011世帯も増えている。
生活保護は、市が、「自分たちの能力や資産を活用しても生活ができない世帯に対して、その生活を保障し、再び自分たちの力で生活できるようになるまでの間、経済的な援助を行いながら、その世帯の自立を助ける制度」。
年齢や家族構成など、その世帯の必要に応じて計算された「最低生活費」の国の基準と、その世帯のすべての収入を比較して決定される。
生活保護には、生活扶助(食べるもの・着るもの・電気・ガス・水道など生活に必要な費用)、教育扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助など8つの扶助がある。
同制度を受けるためには、市福祉部相談室に訪れ、状況を詳しく相談し、保護申請に必要な書類に必要事項を記入し提出する。その後、保護課の地区担当員(ケースワーカー)が家庭訪問し、保護の要件が満たされているか調査され、決定する。保護が受けられる場合は、「保護開始決定通知書」が郵送される。保護の決定は、申請日から14日以内で、調査にかかる時間は30日以内としている。
例えば70歳以上であれば、29,430円の基準額に、世帯人員が1人で39,520円の基準額が加算される。世帯人員が増えれば基準額も増える。このほかに、住宅扶助(単身29,000円)が加算され、最低でも97,950円が得られるようになる。
この生活保護の2006(平成18)年度見込みの決算総額は、3,468世帯で84億2,020万円となっている。このうち、4分の3は国が負担し、小樽市は、4分の1の約21億円の負担額となっている。
人口減少が止まらない小樽市で、生活保護を受ける世帯が、ここ10年間で1,011世帯も増加した背景には、「小樽市の景気の動向。勤め先の問題や高齢者が増えていることが原因にある。平成4~7年のバブル期で一時は減少が見られたが、その後、増え続けている」(小樽市福祉部保護課)と話している。