JR小樽駅前交差点角にある第3ビルの解体工事が進められ、国際ホテルの廃業で長年幽霊ビルとなっていた建物が、駅前の一等地から消え去ることになった。
小樽の一等地のJR小樽駅前交差点角地には、第3ビルが建ち、小樽国際ホテルが26年間営業していた。2002(平成14)年に経営難から、水道代・電気代を巨額滞納し、廃業に追い込まれた。このホテルの廃業で、ビルに入居していた各テナント店舗にも大きな影響を及ぼしていた。
ホテルが閉鎖されたたまま約5年間放置され、駅前の幽霊ビルの解消が課題となっていたが、今年2月に「小樽駅前第3ビル周辺地区市街地再開発組合」(山本秀明理事長)が設立され、高層ホテルとマンションのツインタワービル建設が本格的にスタートした。
総額約60億円をかけて建設する新ツインタワービルは、小樽らしさを出すためにレンガ張りの建物になる。地下に駐車場と店舗などを設け、1階に店舗やホテル・分譲マンションのエントランス、2階にホテルと温浴施設、3階以上は、10階233室のホテルとマンション113戸となる。
旧第3ビルの2階には、日本水泳連盟公認の25m7コースの市民プール(1,372.8平米)が入居していた。年間5万人以上の利用客があり、多くの市民から親しまれていた。小樽市は、所有するプールや他の土地持分権利を組合に売り渡し、今年4月末に保証金として約8億円手に入れた。
市は、新ビルに市民プールを設けず、2007(平成19)・2008(平成20)年度の2ヵ年で6億8,300万円を、民間のホテル・マンション建設事業の補助金として支払うことにしている。巨額の借金と累積赤字を抱える日本一の貧乏都市が、市民の財産で手に入れた約8億円のほとんどを補助金に充てるという、大盤振る舞いとなっている。
さらに、市には、この市民プール廃止に伴う、高島小温水プールの改修費約5,000万円や、2001(平成13年)から行った市民プールの改修費約9,100万円の起債(借金)も残っている。
6月から解体工事が始まり、現在、建物は、工事用のシートで全体が覆われ、重機による解体作業が進められている。新たな装いで新ビルがお目見えするのは、2009(平成21)年の予定となっている。
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