高島漁港を眺める高台にある高島神社裏の高島公園から、8月20日(月)夜、「高島越後盆踊り」の歌声と太鼓・笛の音が響き渡った。その音に釣られ、踊り手たちが次々に繰り出し、同地区最後の夏の伝統行事を盛り上げた。
かつて漁業で栄えた高島地区は、本州からの移住や往来が盛んに行われた。新潟県出身者によって伝えられた盆踊りが、越後盆踊りとして広まったと言われている。踊りと囃子は二つの形態があり、これらを交互に連続して行なうのが特徴的で、歌は労働歌を中心に、約190もの歌詞がある。
1979(昭和54)年に保存会が発足し、2001(平成13)年には、小樽市指定無形民俗文化財に指定された。現在では、保存会の会員は140人にも増え、市内各地の行事で、その優雅な踊りを披露している。
高島公園の盆踊りは、18日(土)と20日(月)の2日間行われた。四方から大漁旗が飾られたやぐらが園内中央に建てられ、、漁業で栄えた当時を偲ばせた。
20日(月)の最終日は、始まりの合図に越後盆踊りの唄が、20:00から町内に響き渡った。その音楽に釣られるように、花編笠を被り千鳥の絵が描かれた浴衣姿の踊り手たちが次々に繰り出した。やぐらを中央に大きな輪を作り、手足を優雅に動かして舞い踊り、会場を盛り上げた。
手宮出身の男性は、「ここで同級生に会ったりするから、本当に懐かしい。みんなが変わりなく踊る姿を見れて感動する」と、踊り手たちの優雅な舞に感動していた。
保存会によると、「道内には4つの保存会があり、その中でも小樽の保存会は大きい。この盆踊りは、僕らの世代で終わらせてはいけない。北海道全域で発展させるために、北海道地区連合会を発足させたいな」と、これからも踊り続け、次の世代に受け継いでいきたいと話していた。