陸・海・空の全27機関298名が参加した小樽市最大の総合防災訓練が、8月31日(金)13:00~15:25、市内色内ふ頭(色内3)で行われた。普段は穏やかな色内ふ頭に、消防車両などの救急のサイレンが響きわたり、各関係機関が連携しながら防災訓練に取り組んだ。
小樽全市挙げての総合防災訓練は、9月1日の防災の日にちなみ、「大規模災害に対する各関係機関相互の協力体制の強化と防災技術の向上及び市民の防災意識の高揚と防災知識の普及を図る」ことを目的に、毎年実施されている。
会場となった色内ふ頭公園には、空にヘリコプター1機、海に船艇5隻、陸に消防車両など53台が勢揃いした。
この日の災害想定は、「平成19年8月31日、午後1時10分ころ、北海道後志沖を震源とするマグニチュード7.0の地震が発生した。このうち小樽は震度6強とされ、午後1時12分『津波警報』が発表された。高いところで2m以上の津波が予想され、陸上においては、市内各地区で木造家屋が倒壊し、数件の火災も発生している模様である。各地で道路の損壊、亀裂が発生したほか、崖崩れによる土砂の流出などにより市内の交通網が寸断された。また、ガス管、水道管、電話線、配電線などのライフラインにも重大な被害が発生した」というもの。
各ライフラインの確保のため、各関係機関がそれぞれ現場に配備された。小樽市水道局は、応急給水と配管復旧訓練を実施。亀裂が入った水道管から水が溢れるのを防ぎ、迅速に復旧作業を行った。北電やNTT、北ガスは、送電・電話回線の確保とガス漏洩の応急処置を行った。
小樽海上保安部は、船艇とヘリコプターで、港湾に流出した油の防除訓練を行った。80mもあるオイルフェンスで流出した油を囲み、吸着マットにより回収した。
今年初めて実施された「座屈ビル救出救護訓練」では、道機動隊、警察、消防、消防団、保健所、日赤がそれぞれ協力し、地震で崩れたビルに閉じ込められた負傷者を確保し救助する訓練が行われた。板で作られた座屈ビルの中から、負傷者となった隊員たちが次々に運び出され、保健所や日赤職員らの手により応急措置された。
市社会福祉協議会と手宮地区9町会のボランティア団体による炊き出し訓練も初めて行われた。レスキューキッチンにより、100人分の豚汁が用意され、訓練中の参加職員・隊員たちも腹ごしらえしていた。
訓練の最後には、小樽海上保安部と小樽消防署の合同の船舶火災救助訓練が行われた。各隊員がそれぞれの防火衣に着替え、船舶に残された負傷者を救出し、延焼拡大した火災を、一斉放水により消火して訓練を終えた。