小樽海岸国定公園に指定されている景勝地「オタモイ海岸」の遊歩道の一部(幅約15m・高さ約20m)が昨年4月に崩落してから、同遊歩道は、市により通行止めとされ、今年7月には、財政難から再整備しないまま“閉鎖”されることが明らかになった。
通行止めとなっている、かつてのオタモイ遊園地跡の断崖絶壁の遊歩道の突き当たりには、約3,000体を祀る「オタモイ地蔵尊」と、それを長年守り続ける村上洋一さん(57)が居住している。
村上さんは、「整備しないなら、来年の春からでも、この場所が見下ろせるような場所に移りたい。これまで、お参りに来る人は、海を見下ろしながら気持ちを静めていたので、人のいない静かな場所に移動したい」と語っていた。
市の観光振興室の担当者は、7月13日(金)に村上さんを訪ね、地質調査の結果を伝えるとともに、「オタモイ遊歩道を完全に再整備出来ないので、100%安全性がとれない。出来れば移ってほしい。要望があれば出してもらいたい」と説明していた。
この問題に対し、山田勝麿小樽市長は、24日(火)に開かれた市長定例記者会見で、「崖崩れを整備すると莫大な金がかかるので、現在は、お手上げ状態だ。住民の村上さんには、塩谷の自宅に戻りなさいと言ってるが、断固として地蔵尊を守りたいと言っているので、困っている。しばらくは様子見」と、“バンザイお手上げ”状態だ。
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