長隆氏が総務省『病院懇』座長に!新病院建設に大きな壁!


 自治体病院再生への改革仕掛け人として知られ、小樽の新病院建設で警鐘を鳴らしていた長隆(おさ・たかし)氏が、総務省が新たに設置した、「公立病院改革懇談会」の座長に就任したことが分かった。
 総務省(MIC)のホームページは、12日(木)に、10日(火)に行われた菅総務大臣の閣議後記者会見の概要をアップした。この中で、公立病院の経営について、非常に厳しいことから、有識者の意見を求めるため、「公立病院改革懇談会」を発足させ、公認会計士の長隆さんを座長に据え、委員5~6名で公立病院改革ガイドラインを決定させることを発表した。 (こちら)
 総務省は、全国にある982自治体病院のうち、3分の2近くが赤字決算で、病院事業の不良債務を抱える自治体が多いことから、国主導での自治体病院経営改革を目指している。設置された懇談会は、このための改革ガイドラインの策定を行うもので、審議の状況によっては、小樽市の新病院建設に大きな影響を及ぼすことになる。
 小樽市は、市立小樽病院と市立小樽第二病院を統合し、築港地区に156億円の巨費をかけ新築する計画を推し進めている。すでに、国(総務省)の起債許可を取る前に、建設への見切り発車をし、基本設計に約6,000万円をかけ、今年4月から1年間でまとめることにしている。
 この新病院建設問題は、4月の市長選でも最大の争点として浮かび上がり、6割の市民が反対に回る結果となっていた。夕張市立総合病院の再生に力を尽くした長隆氏は、小樽市の進める豪華巨大病院建設は、「帰りの燃料なしの戦艦大和の無謀な出撃だ」と、警鐘を鳴らしていた。 関連記事 
osa.jpg 市議会でも、、「新病院建設の根幹にある経営問題の解決のためにも、小樽市立病院の財務・運営状態を調査し再建への道筋を示す、総務省のアドバイザー制度を小樽市としても取り入れ、外部からの調査診断を受け入れる考えがあるか」(上野正之前市議会議員)の質問に対し、山田市長は、「現時点では、新たな病院診断は考えていません」と一蹴し、病院問題再生の専門家としての長隆氏のアドバイスや意見を無視してきた。その長氏が何の因縁か、今回まさに赤字自治体病院の生死の鍵を握る総務省の「公立病院改革懇談会」の座長として登場することになった。 関連記事   
 長氏は、小樽ジャーナルの要請を受け、3月3日に開催した特別講演会「市立小樽病院はどうあるべきかよりよい選択を!」の中でも、「小樽市の新市立病院建設計画のズサンさでは、総務省は起債を絶対に認めないと思う」と、鋭く指摘していた。 関連記事  
 小樽の病院問題を調査し精通している長氏が、総務省の座長に任命されたことで、”無謀な病院建設”を進める山田市政の前には、巨大な壁が立ちはだかることになり、小樽市役所に痛撃を与えることになろう。