先の市議会議員選挙で、小樽市議会に初議席を獲得した、現役の小樽商大生が、開会中の第2回定例会(6月議会)の本会議場で、初の一般質問を行った。
現役の小樽商科大学の学生が市議会議員となったのは、小樽市議会史上でも初めての出来事。先の選挙で、当選は難しいと見られていたが、新党大地公認で2,700票を獲得し、堂々7位で当選したのは、成田祐樹議員(29)。小樽商科大学商学部社会情報学科を卒業して、大学院に在籍しているバリバリの現役大学院生で、市議会では、平成会に所属している。
この若い現役大学院生議員が、25日(月)に開かれた小樽市議会本会議で、初の一般質問に立った。質問は、市長の政治姿勢や市立病院の移転、若年者の雇用、サミット期間中の観光、情報インフラと経費削減などについてで、市長の見解を質した。
「今回、初めて質問させていただきます成田祐樹です。厳しい財政状況の小樽の状況で、この場に立つ事に責任を感じております。まだまだ経験では皆様に遠く及びませんが、今後ともご指導の程よろしくお願いします」と、新人議員らしい挨拶から質問に入った。
最初に市長の政治姿勢に問い、「今回行われた市長選挙は、三者による非常に厳しい選挙戦でした。その中でも、財政再建を軸とした病院移転問題が争われた選挙であると思われます。しかし、結果を見ると投票者の6割近くが現職の方針に反対したと言わざるを得ません。その反対論に全て直結するのは、建設費の縮小を願ってのことではないでしょうか。果たして、このまま市民の民意を充分に得られないままで計画を推し進めていくのでしょうか。選挙結果もふまえて、今後、病院問題において規模や立地、内容について見直す事は全くされないのですか」と質問した。
山田市長は、「今回の市長選挙では、それぞれの候補が、市政全般についてマニフェストなどを示して選挙戦に臨み、それに対する市民の判断であったと考えております。対立候補の票が、そのまま病院問題に対する反対と考えることはできませんが、統合新築は財政再建の面からも必要なこと、規模機能については柔軟に対応していくことなど、これまでも説明してきた内容について、さらに、様々な機会を利用して説明をしてまいりたい」と答えた。
また、若年者の雇用について、「小樽市内に残りたいという大学生は多くいるのにも関わらず、現実には就職先が少なく、札幌や東京に流出している状況にあります。そして、一度出てしまうと中々戻る機会を得られず、これでは小樽の若者は減るばかりです。このまま若年者人口が減って市税収入が減るくらいであれば、企業に教育研修の補助などを行って、新卒採用の間口を広げてもらう事ができないでしょうか」と質問。
「国では、平成18年10月に『中小企業雇用創出等能力開発助成金制度』の一部改正を行い、事業主が、新規学卒者を含む35才未満の従業員を対象として、実践的な職業能力の習得を図るための職業訓練を実施した場合、これに要する経費や賃金の一部を助成するという制度の拡充を図った。しかし、この制度の改正から日が浅いため、市内においての制度を活用している事業所がまだ見られません。市といたしましては、毎年開催してます小樽市商工業振興施策説明会や事業所の方々と話し合う場などにおいて、この制度について周知を図ってまいりたい」と答弁した。
初めての一般質問を終えた成田議員は、「もっと幅広く勉強し、知識を増やさないといけない。今後は、問題点をしぼって掘り下げていく」と、さらに意欲を燃やしていた。
29歳新人現役商大院生が、これまでの市議会運営に新しい風を吹かせることが出来るか、今後の活動に注目される。