小樽市小中学校の新適配案、中間報告まとまる!


 小樽市教育委員会は、諮問機関である「小樽市立学校の規模・配置の在り方検討委員会」から中間報告を受け、5月31日(木)、その内容を明らかにした。6月11日(月)に市役所HPなどで公表し、20日(水)から市民の意見を募集することにしている。
 小樽市は、市内4小学校の統廃合を目指し強力に進めてきた「小学校適正配置実施計画案」が、市民保護者の賛同が得られず異例の白紙撤回に追い込まれたことから、2006(平成18)年3月から新たな計画の策定に向けて動き出していた。
 学識経験者など15人の「小樽市立学校の規模・配置の在り方検討委員会」(秋山義昭委員長・小樽商大学長)を2006(平成18)年7月に設置し、これまで委員会を9回開催してきた。今年2月から4月までに中間報告の検討が行い、今回、中間報告をまとめた。
 中間報告は、全12ページ。小樽市立小中学校の現状、学級編制と学級規模・学校規模、学校配置の在り方、適正配置を行う際に配慮すべき事項、適正配置計画の進め方の5本柱からなっている。
 この中間報告によると、2006(平成18)年度の小学校児童数は6,210人、中学校生徒数は3,233人。戦後のピーク時1958(昭和33)年度の小学生29,363人・中学生15,991人と比較すると、約5分の1にまで減少している。
 現在、市内には、小学校27校、中学校14校がある。27小学校のうち、11学級以下の学校は19校、12学級以上の学校は8校。このうち、6学級未満の過小規模校とされているのは、忍路・祝津・豊倉・張碓小の4校。中でも、祝津小の全校生徒は22人で、1・2年、3・4年、5・6年の複式学級制をとっている。
 中学校では、5学級以下が2校、9学級以上が6校にとどまっている。忍路と塩谷中の2校が過小規模校とされている。
 国では、学級の編制について1学級40人を標準としているが、市では、現状の30人前後を維持し、学校配置を検討することにしている。
 「市内のほとんどの小中学校が小規模校となっており、さらに今後の児童生徒数の推移から隣接した2つの学校の統合だけでは、将来的に安定的な規模が確保できないことを想定している」と、対象校が多く地域が広範にわたることから、適正配置を一斉には行えないとしている。
 前回白紙撤回に追い込まれたこともあり、「保護者や地域など関係者との十分な協議が必要で、さらに改修などに伴う財政的な問題もあり、適正配置はある程度の中期的なスパンの中で計画を策定し実施する必要がある」という。
 このため、市教委は、6月11日から市役所HPなどで、この中間報告を公表し、6月20日から7月31日まで市民からの意見を募集することにしている。応募要領は、HPのほか、市役所庁舎内、市教育委員会、各サービスセンターなどにも配置することにしている。意見の提出は、郵送・FAX・持参・メールで可能。
 この意見を検討し9月中に答申をまとめ、さらに市民の意見をまとめて計画を策定する予定。市教委は、適正配置を2010(平成22)年度にはスタートしたい考えだ。
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