5月24日(木)から2日間の日程で開かれていた選挙後初の小樽市議会第1回臨時会は、25日(金)、2日目の会議を開いた。
一般会計補正予算や国保事業特別会計補正予算などでの累積赤字額を、2007(平成19)年度予算から繰上充用する赤字処理案を、共産党を除くオール与党体制で可決・承認した。
第1回臨時会の24日(木)の1日目には、市議会議員選挙後初の議会であり、議長・副議長や各委員会の役職などを決める議会運営の構成を行った。
25日(金)の2日目は、小樽市長から提案されていた2007(平成19)年度小樽市一般会計・国民健康保険事業特別会計・老人保健事業特別会計の3補正予算案について審議した。
一般会計の補正は、12億3,000万円の累積赤字を、カラ財源による諸収入の雑入として歳入に繰入れ、前年度繰上充用金として歳出し、会計処理の収支の辻褄を合わせた。国保特別会計補正では、17億6,800万円の累積赤字を、同じく繰上充用する赤字処理を行った。
この2つの補正予算案については、共産党を除く、自民・公明・民主・平成・無所属のオール与党体制の議長を除く、22対5の賛成多数で可決した。
2つの補正を合わせると、29億9,800万円もの巨大な赤字処理となった。このほか、市には、病院事業会計での44億円の赤字隠しが表面化しており、これを加えると市の累積赤字は、74億円という巨額に上ることになる。
これは、市が、財政再建団体転落へのボーダーラインとなる、市の標準財政規模310億円の20%の62億円を超えており、実質的には財政再建団体となっていても、なんら不思議のないところだ。これを、数字いじりで、カラの財布による辻褄合わせに終始しているが、早晩、カラ財政が破れることは目に見えている。
一般会計の12億3,000万円の累積赤字の解消には、まだこれから何年もかかると市長は言うが、歳入の確保が難しく、歳入減となる中では、歳出を大胆に削減する方法しかないことは、夕張市の事例を見れば明らかだ。
民間では、累積赤字が12億3,000万円にもなれば、経営責任が問われ、社長から社員まで、給与・ボーナスが一気に削減されることは当然のことだ。“親方日の丸”頼りの役所では、危機意識が希薄なことが問題だ。市長提案の繰上充用を、自らの身を削ることなく、やすやすと認める市議会の存在意義も問われるところだ。
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