修理中「機関車庫三号」を特別公開!旧手宮鉄道施設 


 小樽市は、5月19日(土)、国の重要文化財で、保存修理工事中の旧手宮鉄道施設・機関車庫三号を、10:00と13:00の2回にわたって特別公開した。
 同車庫は、2006(平成18)年と2007(平成19)年の2ヵ年で、約1億2,000万円をかけて、外観と内部の大規模な保存修理工事中だ。外観の工事は、レンガと目地の破損部分の補修や強化剤・撥水剤を全面に塗布する作業と屋根の復旧・塗装。内部は、既存の補強鉄骨の解体やモルタル仕上面の解体と復旧などが行われている。
 小樽市は、「近代化遺産の日」(10/20)に合わせて、2006年10月に特別公開したが、今回は「平成18年分の作業が終わり、1年分の作業を説明するため特別公開を実施しました。現在、職人さんの手作業が行われているので、ぜひそれも見学してもらいたい」(教育委員会生涯学習課)という。
 特別公開の午前には、25名が参加した。最初に30分程度、解体準備から痕跡調査まで、これまでの工事作業の説明が行われた。「破損した建物を単に直すのではなく、調査によって判明した建物の歴史や技術を将来に伝えることに保存修理の大切さがある」と、「建物の解体作業と並行して、各部材の大きさや破損状況、材種や加工方法、昔に改修された痕跡などをひとつひとつ丁寧に調査していく」という。
 すべての材料を出来る限り残して修理工事するため、破損した部分だけ削ったり、穴埋めしたりしている。煤けた古い部材を残すために、表面だけを張り合わせる補修も行っている。レンガも古いものを残すため、職人たちが一人一日50個を目処に、補修作業中だ。
 現場見学では、ヘルメットを被った参加者たちが、作業中の職人たちの技を見学した。屋根が解体された機関車庫内をじっくり見渡し、職人たちの補修作業を注意深く見ていた。北海道職業能力開発大学校の日根祐介くん(2年)は、「古い建物は壊さないで、しっかり調査して残していってもらいたい」、小樽おもてなしボランティアの会・竹内勝治会長は、「文化財の修理にたくさんの時間がかかることに納得した。大変な作業だ」と、職人の作業に目を凝らしていた。
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