市立小樽美術館(色内1)は、5月26日(土)から7月1日(日)まで「没後20年 森本三郎展」、引き続き7月5日(木)から22日(日)まで、「追悼 森本光子展」の約2ヶ月にわたる夫婦展を開く。
小樽をこよなく愛した洋画家森本三郎は、1909(明治42)年帯広に生まれた。1934(昭和9)年に上京し、3年間川端画学校などで学んだあと小樽に移住し、北海道新聞社に勤務した。戦後、全道展へ出品を重ね、国画会展で奨学賞を受賞した。1980年代から特定の公募団体への参加を断ち切り、同じく画家である光子夫人との二人展一筋に。
森本三郎の作品といえば、誰もが雪景色を連想するという。重々しい空の色と、路地にたまった雪も薄汚れた寂しい風景に、そこに暮らす人々の心の温もりを感じさせる作品。この「没後20年 森本三郎展」は、小樽のもつ風情を浮かび上がらせた優れた洋画家の没後20年を節目とした回顧展。代表作である「雪の小樽」の連作や卓上静物、人物などの油彩50点と20点の素描を紹介する。
森本三郎の特別展の後、光子夫人の「追悼 森本光子展」が開かれる。森本光子は、1923(大正13)年に小樽市稲穂町に生まれた。庁立小樽高女(現小樽桜陽高校)時代に絵を描きはじめ、19歳で道展に初入選した。卒業後、渋沢倉庫小樽支店に勤務し、森本三郎と出会い結婚。
生き生きとした子供の表情を鋭い感性でとらえ、モデルの子供たちと格闘しながら無垢な表現を追及してきた。動かない人形独自の魅力にひきこまれ、冷たい存在感の人形をテーマとしたことで「人形の森本」と評されてきた。2006(平成18)年8月に逝去した小樽ゆかりの女流画家。特別展では、80点の油彩画が展示される。
この夫婦展(特別展)期間中は、観覧料が一般500円、高校生・市内在住の満70歳以上の人250円、小中学生・障がい者は無料。2展の通し券で、森本三郎展を観覧した人は、次の森本光子展も引き続き観覧できる。なお、次回の特別展II「高橋好子・冨沢謙展」の割引券もついてくる。
「没後20年 森本三郎展」は、5月26日(土)から7月1日(日)まで。「追悼 森本光子展」は、7月5日(木)から22日(日)まで。
期間中の6月23日(土)13:30~15:00、小樽市分庁舎1階の第1・第2研修室で、荒巻義雄氏(日本文芸家協会会員・日本SF作家クラブ会員)による美術講演会「森本三郎・光子 構図と心理」が行われる。市民80人を対象としており、電話で申し込みを受け付ける。聴講無料。
森本三郎展と同時に、「中村善策の軌跡 素描・パステルの魅力とともに」(5/26~10/14)が開催する。会場は、1階・中村善策記念ホール。
問合せ:0134-34-0035 市立小樽美術館