小樽市内の法人タクシー7社が、4月に、現行初乗り運賃470円を530円に戻す申請を、北海道運輸局にしていることが明らかになった。
市内には、法人タクシー会社が10社ある。こだま交通と系列のぜにばこ交通の2社を除く8社は、2002年9月に、初乗り運賃(1.4Km)530円を60円引き下げて470円で運行している。加算料金も314m80円を354m80円にしている。また、小樽北交ハイヤー・ミドリ小型ハイヤー・北海道中央タクシー・金星小樽ハイヤーの4社は、遠距離運賃割引で、5,000円を超える部分の運賃を半額としている。
経済不況の中で、各社は運賃値下げで客足の回復を図ろうとしていた。しかし、最近の原油価格の高騰で、燃料をはじめタイヤなどのコストが上がり、繁忙期の7、8月と12月も平常月と変わらない運行で、さらに今冬は雪も少なく、タクシー利用者は減少していた。このため、背に腹は変えられず、5年前の530円運賃に逆戻り値上げをすることになった。
現行
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申請後
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小樽つばめ交通 |
470円
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530円
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小樽日交タクシー |
470円
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530円
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小樽北交ハイヤー |
470円
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530円
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共同交通 |
470円
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530円
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金星小樽ハイヤー |
470円
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530円
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北海道中央タクシー |
470円
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530円
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ミドリ小型ハイヤー |
470円
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530円
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トンボハイヤー |
470円
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470円
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こだま交通 |
530円
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530円
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ぜにばこ交通 |
530円
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530円
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個人タクシー |
480円
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480円
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値下げした8社のうち7社(小樽つばめ交通・小樽日交タクシー・小樽北交ハイヤー・共同交通・金星小樽ハイヤー・北海道中央タクシー・ミドリ小型ハイヤー)が、470円を530円に、加算料金も354mから314mに戻す申請を行った。合わせて、遠距離運賃割引を5,000円超えで5割引きとしていた4社は、これを3割引きにする申請をした。
値上げ申請をしていないトンボハイヤー(色内3)は、「申請して530円にすることはない」と、現行運賃の470円を維持していく方針だ。小樽個人タクシー協同組合は、「組合としては、今のところ様子を見ることにしている。個人タクシーなので、価格の設定は組合がどうのこうの言えないが、少しでも長く現状のままで頑張りたい」(中村雅則副理事)としている。
小樽ハイヤー協同組合会長の谷口美津江・ミドリ小型ハイヤー取締役社長は、「運賃値上げについて懸念したが、我々も必死でやっている。石油高騰でコストが高くなり、企業の経営に響いている。お年寄りなどタクシーを必要とする皆さんには、本当に申し訳ない」と話していた。
道運輸局によると、認可はいつになるか未定としているが、市内タクシー会社では、3ヶ月ほどで認可されるのではないかと見ている。