小樽市医師会(富岡1・城守会長)は、今回の市長選挙に対し、前回と前々回に推薦していた現職の山田勝麿市長を推薦せず、会員の自主投票に委ねることが分かった。
小樽市医師会(会員数276)は、市長選立候補予定者にアンケートを求めていたが、この回答結果を待ち、4月6日(金)に、今回の市長選に臨む態度について協議した。
この結果、4年前と8年前には、山田勝麿市長を推薦していたが、「今回は、会員の考え方に多様性があり、まとめることは出来なかった。今回は、3者による激戦となっているので、会員の意見もまとまらない。前回の選挙情勢とは違う」(城会長)と、2回にわたり現職を支えてきた医師会として、山田市長の推薦を決められず、自主投票となったことを明らかにした。
「今回は市長選だけでなく、道議選・市議選でもいろいろな意見があるので、皆さんご随意にということ。前回2003(平成15)年11月の衆議院議員選挙でも、自主投票にしたことがある。この時は、佐藤静雄さんに道医師会が出したアンケート回答を拒否されたことがあり、医療政策をどう考えているか分からない人を推薦にしないで断った」と自主投票にしたという。
医師会は、これまで、現職山田市長の推薦母体であり、強力な支援組織だった。今回、自主投票を決めたのは、若手中堅の会員の間で、若手新人森井秀明市議への共感が急速に広がり、山田推薦を見送らざるを得なかった裏事情がある。
自主投票を受けた医師会の有志は、4月12日(木)夜に森井氏と面談し、政策や人柄のチェックを行って、改めて森井支援を明らかにした。
今回の市長選で、医師会という現職支持団体の保守の牙城が大きく揺れ、自主投票や自由投票を呼びかける動きが、他の業界・団体にも波及しつつあり、今後の市長選の動向に大きな影響を及ぼすものと見られている。