小樽市のズサンな新病院計画に断!長氏特別講演会!

 「小樽市の新市立病院建設計画のズサンさでは、総務省は起債を絶対に認めないと思う」と鋭く指摘したのは、「ガイアの夜明け」で知られる、夕張市立総合病院経営アドバイザーの長隆(おさ・たかし)氏。
 3月3日(土)14:00から、「市立小樽病院はどうあるべきかよりよい選択を!長隆氏特別講演会」が、小樽の医療を考える市民の会(高村一郎代表)の主催で開かれた。
 長隆(おさ・たかし)氏は、東日本税理士法人・特定医療法人協議会代表。元・総務省地方公営企業(病院)経営アドバイザー、前・総務省・自治体病院経営改善推進研究会座長などを務め、夕張市立総合病院経営アドバイザーでもある病院問題のエキスパート。自治体病院再生への”改革仕掛け人”として知られている。
 長氏は、2月にも調査員を小樽に派遣し、市内の医療事情の把握に努めており、3月2日(金)に小樽入りした長氏は、市立小樽病院と小樽第二病院を視察し、院長らから説明を受けて、小樽の病院問題の現状の実態把握に努めていた。
 3日(土)14:00から始まった特別講演会は、日経スペシャル「ガイアの夜明け」が一部紹介されたのち、長氏の講演に移った。
 「今朝、市内の病院を見て、私の考え方は、ガラリと変わりました。果たして小樽病院、第二病院は、存続していいのかと理由を考えました。市民の医療を預かる自治体病院が、土曜の午前中に、門を閉めているなんて信じられません。第二病院は驚いたことに正面玄関は閉まっていた。小樽病院は真っ暗の中に受付に2人がいるだけでした。朝でも、済生会は13人、掖済会9人、車道を挟んだ協会病院には、50人ほどの患者が外来受付に並んでいました。民間病院では、患者探しに努め、一生懸命にやっている。なのに、多額の税金が投入されている自治体病院が、土曜の午前中が休診とはとても考えられない。官僚経営で、経営努力をしない病院は、市民に対する裏切りだ」と、小樽の市立2病院の土曜休診に呆れ果てたことから講演を始めた。
 「小樽市築港での新病院建設計画は、ずさんな計画で会計もデタラメだ。5、6年先に新築したら医者が戻ってくるというのは妄想だ。場所についても適地を考えてほしい。埋立地でパチンコ屋と葬儀屋に挟まれた場所が、適地であるとは到底思えない。近くに葬儀屋があるのは、病院で死ぬ人に便利だということか」と、舌鋒は止まらなかった。
 「小樽市の今の病院計画は、出来ない机上の空論だ。長年にわたり、44億円の累積赤字で、国をだまし続けた市の姿勢では、総務省は到底起債を認めないだろう。小樽のこんなひどいデタラメで起債を認めたら、国はいくら金があっても足りないことになる。小樽の実態は、ひどいの一言に尽きる」と、このままでは総務省が起債を認めないことを断言した。
 市は、起債を目当てに建設計画を進めているが、長氏は、「このまま戦艦大和トは建造されるとは思わないが、すでに地方公営企業法に違反しており、実行した場合には住民訴訟の対象となる。小樽市の計画は相当重傷で、犯罪的な計画だ」と厳しく断定した。
 会場に来ていた医師会の理事たちは、「長さんの経験と資料に裏付けられた話は説得力があり、ショックを受けた。医師会としても今後は、新たな方向性を考えていかねばならない」と感銘を受けた様子だった。
 その後のディスカッションでは、小樽商大・相内俊一教授が司会し、パネラーに長隆氏、小樽商大・籏本智之助教授、高村内科医院・高村一郎院長が参加して、小樽新病院建設での問題点を会場からの質疑に答える形で行われた。
 3時間にわたる特別講演会の最後には、長氏に会場から大きな拍手が送られていた。

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 ◎長氏の講演会当日の資料  (パワーポイント)  (HTML)


 ◎籏本氏の講演会当日の資料 (パワーポイント)  (HTML)