昨年8月に発覚した小樽市の病院事業会計での44億円の”赤字隠し”を、広報おたる2月号が、この不適切とされた会計処理について、市民に初めて公表した。
小樽ジャーナルでは、この”赤字隠し”については、2006年9月17日の記事で報道していた。市は、発覚以来、約6ヶ月後にようやく自らの手で、市民にこの”赤字隠し”の実態を図を入れて明らかにしている。
一般会計からの貸付金を使って行われたこの44億円の”赤字隠し”は、長年に渉って行われていた。道の指摘で、この改善を求められ、平成18年度決算で、44億円の収支不足額を赤字として計上し、不良債務として経理処理することにしている。
また、道から起債許可の基準をクリアするためには、5年以内にこの44億円の赤字の解消を求められ、平成19年度から23年度の5年間での解消策を協議しているとしている。
市民の目の届かぬところで長年に渉って行われていた44億円の”赤字隠し”額と、今年度の一般会計の赤字額16億6,000万円を合わせると、すでに市の赤字額は、これだけでも夕張市と同じ再建団体に転落するギリギリの60億6,000万円となる。これに、国民健康保険事業特別会計の赤字22億円を加えると、なんと82億6,000万円に上る。
小樽市が夕張市と同じく再建団体になるボーダーラインは62億円となっている。すでに、小樽市の赤字額は82億円6,000万円に上ることから、小樽市は、すでに夕張市と同じ状況になっていることが分かる。
市は、この苦境をどのようにクリアしようとしているのか、平成19年度の予算案がまもなく発表される中で明らかになる。