96歳になっても制作意欲を燃やし作品に取り組む、世界的に有名な小樽在住の版画家・一原有徳氏の企画展「版の魔力 96歳のドローイングとともに」が、1月27日(土)から、市立小樽美 術館(色内1)で開かれる。
一原有徳氏は、版の概念を拡大し、次々と新しい表現を生み出し、独創性に強いこだわりを持ち続け挑戦してきた美術家。ニューヨーク近代美術館などにも作品が収蔵され、国際的な評価を得ている。
モノタイプ版画で知られ、廃材を拾い集めたオブジェ作りや饅頭の焼印のテクニックを使った“ブランディング”など、制作方法も拡大してきており、1980年代になると立体的な作品に移行した。
96歳の高齢になった一原氏は、新たにドローイングを主とした制作に打ち込んでいる。絵の具を紙の上に流す技法で、いまだ衰えない一原氏の実験精神が伝わる。
1月27日(土)から開催する企画展では、モノタイプ、腐食版の大型組作品とブランディングの連作、ステンレスの鏡面作品を中心に、一原氏の多面的な版の魅力を紹介。最新作で未発表のドローイング作品10点と代表的な作品42点を展示する。美術館では、「この企画展は、特別展に負けないくらい力があるので、ぜひたくさんの人に見に来てもらいたい」と話している。
この企画展に合わせ、世田谷美術館・酒井忠康館長の講演会「幻影の『版』に生きる 96歳の一原有徳」が、3月17日(土)13:30~15:00に行われる。
また、企画展開催中の2月9日(金)から18日(日)の10日間、小樽雪あかりの路に合わせ、市立小樽美術館と文学館の両館初の館内ライトアップも行われる。「雪あかりの路のメイン会場となっているロケーションを最大限に活かし、市民や観光客に館の存在感をアピールしたい」と、2月9日(金)から12日(月)の4日間は、開館時間を2時間延長し9:30から19:00までとする。
現在96歳となった一原有徳の最新作や未発表作品が並ぶ企画展は、1月27日(土)から5月20日(日)まで。一般300円、高校生・市内在住の満70歳以上150円、小中学生・障害者無料。問合せ:0134-34-0035