巨額借金と累積赤字で四苦八苦する小樽市。今年度の歳入増の取り組みとして真っ先に上げていたのが、日帰り入浴施設からの入湯税の徴収。課税免除の廃止による4,000万円の収入増(平成19年度)を目論んでいたが、入浴施設側の強い反発にあい、このほど断念したことが分かった。
広報おたる4月号のシリーズ財政再建24では、「市の累積赤字が急激な勢いで増え、膨らみ続ける累積赤字を短期間に解消するのは非常に困難である」として、財政再建推進プラン実施計画の「試算が示す異常事態」を告げ、歳入増の取り組みを強化することにしていた。
歳入増の取り組みで真っ先に上げられたのが、入湯税課税免除の見直し。日帰り入浴施設側との交渉を行っていたが、原油高騰のあおりを受けて厳しい経営状態を強いられているとして施設側の協力を得られず、平成19年度から4,000万円ずつ計1億2,000万円を3ヵ年で徴収する計画の断念に追い込まれていることが分かった。
入浴料1,000円未満の日帰り入浴施設は市内に10ヶ所あるが、市は入湯税の課税免除を廃止しようと、昨年度に1人当たり100円の入湯税の徴収を目論んだ。しかし、各施設からの反発が強く、今年は50円での徴収を見込み、歳入増につなげることにしていた。
しかし、日帰り入浴施設側は、原油高騰の中、入浴客から徴収するか、自らの施設がその分を負担するかも含め、とても入湯税を徴収する経営環境にないと市に申し入れた。このため、市の財政部は、「多くの人が利用する大型入浴施設も経営が厳しく、市の方針に理解を得られなかったので断念することにした」として、歳入増の取り組みが早くも頓挫することになった。
このため、市は、平成19年度から予定していた入湯税収入がなくなることになり、財減対策でも穴が開くことになった。「入湯税の課税免除の廃止も、市が財政再建団体にでもならないと理解を得られないのか」(財政部)と嘆いている。
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