小樽市(山田勝麿市長)は、11月22日(水)13:30から、総務・財政部長らが記者会見し、第4回定例会(12月市議会)に提案する予算議案と条例案などの概要を説明した。
12月市議会に提案される予算議案は、平成18年度小樽市一般会計補正予算や新たに設置する小樽市産業廃物処分事業特別会計予算、小樽市病院事業特別会計補正予算など予算議案6件と、小樽市情報公開条例案、小樽市総合博物館条例案などの11条例案と、各施設の指定管理者の指定などその他の11議案と専決処分報告などを提出予定としている。
この中で、博物館、青少年科学技術館及び旧交通記念館を統合する条例案では、新博物館の本館の名称を小樽市総合博物館(手宮1)、分館を小樽市総合博物館運河館(色内2)となったことと、入館料などを明らかにした。(議案16)
また、小樽市情報公開条例や小樽市個人情報保護条例の全部改正などの条例案は、国の情報公開制度及び個人情報保護制度に準じた制度とするための見直しとなっている。(議案7、8、9)
一般関係の補正予算関係では、旧手宮線跡地取得経費1億9,000万円が計上された。これは、土地開発公社に市から貸付けて、公社がJRから先行取得するためのもの。これにより、駅前中央通りから旧交通記念館に至る手宮線の跡地を新たに取得することになる。
議会費では、6月に市議を辞職した吹田友三郎氏の議員報酬の532万4,000円が減額されている。
税等過誤納金還付金として、2,419万2,000円が計上されている。これは、冷凍倉庫の誤課税により、6社に4,750万円をすでに還付していたが、これは、5年間だけを遡っての還付だった。他都市では、10年間に遡って還付しているため、冷凍倉庫会社から他都市と合わせるべきだとの要求があり、全国と道内10万都市の傾向を見て、10年間に遡って還付することにしたもの。1996(平成8)以降のものを遡って還付するものだが、金がないため半分の2,419万2,000円を今年度中に支払い、あとの残額は、新年度分で支払うことにしている。
◎市の累積赤字16億6,000万円に拡大!
2年連続の赤字決算をしている一般会計では、これまで累積赤字は14億5,000万円の見通しだったが、今回の一般会計補正予算でも繰出金7,363万4,000円を計上。これらの額が新たに累積赤字に加わり、累積赤字は16億6,000万円に拡大したことを、磯谷財政部長が明らかにした。
2006(平成18)年度当初予算では、3年連続の赤字予算を回避し、収支均衡予算として計上したとしていたが、さらに拡大する累積赤字で、市長の言う収支均衡予算は、責任逃れの言葉だけのものであることが明らかになった。実質は、3年連続の赤字予算の“収支不均衡予算”となったことが、白日の下にさらされることになった。
16億6,000万円に拡大した累積赤字に、病院事業会計の44億円の赤字隠し分を足すとすでに60億円に達しており、これに国民健康保険事業特別会計の28億円の赤字を足すと、市の赤字額は88億円の巨額に上る。これは、小樽市の財政再建団体入りのボーダーライン62億円をとっくに超して、すでにデッドラインの領域に入っていることを示している。
財政再建、財政再建の言葉だけが声高に語られる小樽市だが、累積赤字の拡大で再建は遠退くばかりで、帳尻合わせによる会計処理も早晩破綻することは目に見えている。先に財政再建団体入りを申請している夕張市は、市職員の半減と給与の30%削減、退職金の大幅見直し、市長等特別職の報酬半減と退職手当の不支給などで、国からは全国最低の行政水準を求められている。財政再建団体へのデッドラインに入った小樽市も、夕張市並みに自ら大ナタを振わなければならない事態が切迫している。