世界で最も人気の高いオペラのひとつ“カルメン”が、スロバキア国立オペラにより、1月21日(日)14:30、小樽市民センター「マリンホール」(色内2)で上演される。
この公演を主催するのは、日本スロバキアオペラ交流委員会(代表・長谷川洋行 森ヒロコ・スタシス美術館長)。
長谷川洋行さん(70)は、スロバキア国立オペラと活動を始めて、今年で9年目となる。日本の地方都市で、低料金で本場の一流オペラを誰にも気軽に安心して楽しめるようにと、全国各地で日本公演を行ってきている。
長谷川さんとスロバキアオペラの出会いは、1980年代に東欧の世界を訪ねた時から始まる。オペラの観覧料は、日本では考えられないほど安く、庶民の娯楽として一流オペラが定着していることに衝撃を受け、東欧オペラと日本の地方とを結びつける活動を始めた。1999年10月に九州阿蘇の小国町で初公演を開催。
これまで、南は九州から北は北海道まで全国20ヶ所60回以上の公演を行っており、来年で9年目となり、小樽での公演は5回目となる。10年間の活動で一区切りとするため、小樽での公演は今回が最後となる。
「ヨーロッパの一流国立オペラが小樽のような小さな町で見られるのは、まったく前例のないこと。今回は、世界で最も大衆に愛されているオペラのひとつ“カルメン”が上演される。誰でも楽しめる庶民の娯楽なので、ぜひ足を運んで観てもらいたい」と呼びかけている。
長谷川さんの夢は、観光都市小樽にオペラハウスを作り、観光シーズンに誰でも楽しめるオペラを上演することだという。「小樽の観光はお土産物屋ばかりで、新しい観光を広げないと終わってしまう。小樽の街にオペラは絶対に似合う」と、これからも小樽の街とオペラを結びつける活動を続けることにしている。
石狩湾オペラ2007 スロバキア国立オペラ「カルメン」の公演は、札幌で1月18日(木)、小樽で1月21日(日)に行われる。
「日本という大都市で高い入場料を取り、俗的権威と思わせぶりなこけおどしで、オペラへの敷居を滅茶苦茶高くした東京は、オペラのがん細胞の発信基地です。およそ庶民の娯楽とは程遠い世界です。スロバキア国立オペラは、頭でっかちのオペラの現場で、多分最初で最後の創造的、魅力的なオペラの旅芸人一座に違いありません」(長谷川代表)。
札幌・小樽公演の第一部「カルメン」は、フランスの作曲家ジョルジュ・ビゼーの最高傑作。1875(明治8)年にパリで初上演された。原作はプロスペル・メリメの小説「カルメン」。全4幕で3時間30分となるところ、見せ場から見せ場への1時間10分に濃縮して上演される。
第二部「オペレッタとミュージカルからの歌」では、“すべての扉を閉じよ”や“マリツァとタシロの二重唱”など12曲が演奏される。
1月18日(木)18:30 札幌教育文化会館小ホール・全席自由 入場料前売4,000円、当日4,500円
1月21日(日)14:30 小樽マリンホール・全席自由 入場料前売3,500円、当日4,000円
問合せ:0134-22-3772 日本スロバキア・オペラ交流委員会(森ヒロコ・スタシス美術館)