国立大学法人となり3年目を迎えている小樽商科大学(緑3・秋山義昭学長)が、週刊経済誌などで高い評価を受け、小樽に商大ありと全国に知らしめている。
週刊ダイヤモンド(2006年9月23日号)の特集「出世できる大学」上場企業・代表取締役全調査で、全国の大学の第5位にランクされた。
トップ出世力ランキングでは、第1位の東京大学、第2位の一橋大学、第3位の慶應義塾大学、第4位の京都大学に次ぐ、堂々の第5位を占めた。単科大学としては異例の第5位ランクで、同大の小樽高商以来95年の伝統が生んだ、同校卒業生の逸材の活躍が認められた。ちなみに北海道大学は第17位となっている。
出世できる大学は、日本の全上場企業3,800社余の代表取締役のうち、プロフィールが明らかになっている6,485人の出身大学を集計したランキング。出身大学別に代表取締役を数え、5人以上の大学のみ集計。平均年齢を算出し、該当する人が21歳になった年に在籍していた学部学生を調べ、100人中何人が代表取締役になっているかを出世力指数で示している。
2006年8月初旬時点では、小樽商大出身の代表取締役は21人で、出世力指数は2.23でトップ5に入っている。第1位の東大は3.89、第2位の一橋大は3.69、第3位の慶應大は2.72、第4位の京大は2.43となっている。
同誌では、「北大に経済学部が誕生してからもしばらくは“小樽商科大学が無理だから北大に行け”、北海道の高校ではそんな進学指導が普通であったという、地元のエリート大学だった。戦前にまでさかのぼる商学教育の伝統は、着実に人材を生み出しており、社会科学系単科大学で生き残ったことが、代表取締役を生み出す確立を計算上ではあるが高めているのである」と、商大のトップ5入りの分析結果を紹介している。
さらに、週刊東洋経済(2006年10月14日号)の特集「これが決定版!本当に強い大学」で、第2期目となる国立大学法人の2005年度決算で、小樽商大が、余裕資金の運用率が高い大学の第1位にランクされた。この特集では、財務力、教育力、就職力から日本の大学トップ100をランキングしており、小樽商大は全国の84位となっている。しかし、余裕資金をどのように運用しているかの部門別ランキングでは、小樽商大が群を抜いた第1位になった。
同誌では、「全国立大学法人の中で群を抜いて高い投資運用率を誇るのが、小樽商科大学である。同大学は、保有する現金および預金の実に約54%を定期預金の形で運用しており、資金運用に対して高い意識を持っているといえよう」と評価している。この部門では、東大269%や北大217%などの有名大よりもはるかに高い1,609%でダントツ1位となっている。
秋山学長は、「今まで、経済界を中心に優秀な人たちが卒業し、よく頑張ってくれている。週刊ダイヤモンドの記事には、意外な印象を持たれるかもしれないと書かれているが、今までの実績の中では当然のことだと思う。現在の本学の生徒にも非常に励みとなり、ぜひ先輩の伝統を引き継いでもらいたい。週刊東洋経済では、資金運用に対して高い意識を持っていると書かれていたが、高い意識は持っておらず、金額は少しずつだが定期預金にコツコツ回していただけ。いかにも商科大学と言われるでしょう」(秋山学長)と、今後の受験にも大きな影響が出るのではと話していた。
小樽商大が、日本を代表する週刊経済誌の2誌から高得点を得て、全国の上位にランクされたことは、95年の歴史を誇り、小樽の街とともに歩みを進めてきた同大学が、まさに“北に一星あり 小なれど その輝光強し”を全国に示すこととなった。