北朝鮮が、10月9日(月)午前に地下核タ験を実施したと発表、にわかに国際問題化し、現在、国連安全保障理事会で、国連憲章7章に基づく制裁決議の採択をめぐり、各国の間で外交戦が繰り広げられている。
国は、日本独自の制裁措置も検討中で、これには、日本の港への北朝鮮船舶の入港禁止措置の扱いも含まれており、北朝鮮船舶が多数入港する小樽港にも、直接な影響が及ぶことになる。
日本海を挟んで隣国となる北朝鮮船は、これまで小樽港にもウニやカニなどを運び込むため、多くの船が寄港している。この問題に関して、開会中の小樽市議会決算特別委員会11日(水)の質疑でも、平成会上野正之議員が取り上げていた。
小樽港に入港する北朝鮮船は、平成15年に72隻、平成16年に96隻、平成17年に89隻、本年9月末までに112隻の入港があり、特に本年9月末までの入港数の増加が目立っている。北朝鮮船は、ウニやカニを輸出品とし、帰りに中古自動車や自転車、日用品雑貨などを輸入品として持ち帰っている。船員は、小樽港では、船上生活となり小樽には上陸出来ず、市内の散策などは出来ないという。
「国レベルでの北朝鮮船の入港禁止措置がとられると、小樽のウニの加工業者などに影響が出るが、小樽市では入港禁止は、国レベルの法的措置なので、港湾管理者として従わざるを得ない」(総務部長)としている。
海でつながる小樽市と北朝鮮との船舶の出入港が、核実験の実施という大きな問題の下では、吹き飛んでしまうことになる。
11日(水)にも小樽港第3号ふ頭には、北朝鮮船4隻が停泊しており、船員たちが貨物の積み込みのために働いていた。しかし、報道陣のカメラや問いかけには応じず、硬い表情で睨み返すなど、国際情勢の影響が如実に表れていた。