9月29日(金)午後、普段は静かな小樽勝納ふ頭に、怒声と銃声が響き渡った。小樽海上保安部や北海道警察、小樽市港湾部などが一体となった、実践的テロ対応訓練「小樽港総合訓練」が、13:30から14:30まで行われた。
これは、テロなどの発生時の迅速的な情報共有と対応能力の向上を図り、平時や有事における港湾危機管理体制の強化を目的としている。小樽港湾保安委員会と小樽港危機管理担当官の主催。
「小樽港総合訓練」では、海上での容疑船の捕捉訓練と陸上での被疑者捕捉と爆発物処理の訓練に重点が置かれた。海上での訓練は、小樽港内に高速で逃走する小型容疑船を海保の巡視船艇とヘリで追跡し捕捉する。容疑船に向けて警告弾が投げられたり拳銃の発砲など、実践さながらの迫力ある訓練が行われた。
陸上での訓練は、船内の不審者の検索、確保、逮捕など。逃走する不審者を取り押さえ、海岸に停車する不審車両に置かれていた爆発物の処理を行い、実践的テロ対応訓練を終えた。
訓練参加機関は、小樽海上保安部・函館航空基地、北海道警察本部警備部警防課・同部機動隊・小樽警察署、小樽市港湾部、函館税関小樽税関支署、札幌入国管理局小樽港出張所、北海道開発局小樽港湾事務所、北海道運輸局海上安全環境部の7機関。
高橋努小樽海上保安部長は、「港湾保安委員会と危機管理コアメンバーが一体となり、実践的なテロ対応訓練などで万全を期して参りたい」、小樽市・山崎範夫港湾部長は、「テロが発生しないという保証はありません。関係機関が連携し強化を図っていきたい」と、危機管理の強化に取り組むことにしている。