小樽顕誠会(赤石欽司会長)は、9月25日(月)9:00、小樽公園内(花園5)にある顕誠塔の敷地と沿道に、ヤエザクラ10本を試行植樹した。
顕誠塔は1923(大正12)年に建立され、御影石で作られた道内有数のもの。日露戦争後、生還将士から戦死した友を慰霊したいとの申し出を受けた経済界や在郷軍人などが中心となり、建立運動を起こし、18年かけて完成した。建立された翌年からは招魂祭が始まり、小樽の一番早い祭りとして賑わいを見せた。第2次大戦の終戦を迎えてからは、戦前の軍事色を払拭するため、郷土小樽市に貢献のあった人々も合祀する事とし、現在に至っている。
桜の植樹は、小樽公園の顕誠塔に足を運ぶ人が少なくなったことを危惧した赤石会長が、「なんとしても遺族の方や若い人たちを、この顕誠塔のある上まで上げたい」と、ヤエザクラの植樹をすることにした。5年から10年間で約300本の桜の木を植える事業で、桜の木が今年の冬を越せるかどうかを試行するために、25日(月)9:00から会員4人が10本を植樹した。
同会最高齢の芳川勝男副会長(92)が第1号を植樹。「もう長生き出来ないから、私の変わりに20年も30年も生きていてもらいたい。来年、この桜が咲くまでは生きていたい。そして、ここで一杯飲まなければいけないな」と、自前のスコップで桜の木の根元に土を被せていた。
今回の試行植樹では、顕誠塔広場に6本と沿道に4本の計10本のヤエザクラを植樹。計画では、同会が来年4月に行う総会で、本格的な事業として動き始め、5年から10年間で、顕誠塔広場に50本・沿道に250本の計300本を植え、桜公園にする計画。「寄付をして頂いた方には、その桜の木に自分の名前をつけて、花見の時期には、家族友人で一杯飲んでもらいたい」と、一般公募での寄付を募ることにしている。