小樽市と北海道から忘れられ、故障により時を刻まなかった小樽観光名所の運河プラザ(色内2)前の大時計が、8月18日(金)から再び時を刻み始めている。
大時計は、バブル崩壊とともに経営破綻した旧北海道拓殖銀行(たくぎん)小樽支店が、1991(平成3)年に90周年記念として小樽市に寄贈した。設置当時に200万円をかけたソーラー型の高さ4.75m、時計部分は直径70cm、幅28cmの大時計。
今年5月にバッテリーが古くなり、電気を蓄電することが出来ずに故障のまま放置されていた。当時は設置場所が市道だったが、1994(平成6)には道道に昇格した。この時に、時計搭についてのデータが市から道に送られなかったため、観光名所にも関わらず、2ヶ月も忘れられた存在となっていた。
しかし、潮まつりが近づき、観光都市としてみっともないとして、7月20日(土)に撤去された。潮まつりが明けた8月4日から修理が開始された。小樽市建設部維持課が市内時計店に修理を委託した。「修理に100万円もかかるとなると、この時計を撤去することも考えていたが、15万円で済むということなので修理した」(市建設部維持課)という。時計の修理とともに、老朽した塔の腐食部分もペンキで塗り直され、設置当時の姿がよみがえった。
だが、柱に刻まれた寄贈者のたくぎん小樽支店は、今では忘れられた存在となってしまった。
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