小樽港内のひき船業務を一手に引き受けていた、小樽市所有のタグボート「たていわ丸」と「さくら丸」の2隻が、9月4日(月)の入札で、計8,900万円で売却された。
汽船ひき船「たていわ丸」(195.84トン)は、1980(昭和55)年3月に竣工の2,600馬力。「さくら丸」(194.93トン)は、1979(昭和54)年11月竣工の2,400馬力。馬力の高いタグボートで、米海軍の航空母艦や駆逐艦、自衛艦船、大型フェリーや貨物船など港内を訪れる船舶の着岸・離岸に、その威力で大きな役割を約26年間担ってきた。写真は新(右)旧(左)のたていわ丸。
市の財政危機で、この2隻のひき船は売却される運命となり、9月4日(月)10:00から、市港湾部会議室で入札を行った。入札には12社が参加し、「たていわ丸」と「さくら丸」の2隻が合計8,900万円で売却された。
2隻のひき船の売却に伴い、新「たていわ丸」が月額178万5,000円でリース導入され、9月1日(金)から業務に就いている。1隻体制のひき船で対応出来ない場合は、これまでと同様に、石狩湾新港からの応援を仰ぎ、2隻体制で対応することにしている。
市の2隻の売却で、小樽市には約8,900万円の臨時収入が入ったが、新しいひき船のリース料月額178万5,000円は、年間では2,142万円かかることになり、臨時収入も4年間で食い潰すことになる。
なお、入札を行った市の港湾部では「入札成立で法人の財産になり、個人情報の公開になってしまう」として、入札の売却価格の2隻合計金額だけを発表し、2隻別の各売却額を公表しないという情報非公開に終始した。市民財産の売却額を市民に知らせないという市の姿勢に疑問が残った。
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