急激な学生数の減少で、経営危機に陥っている学校法人小樽昭和学園(入船4・赤坂勝理事長)は、8月4日(金)、札幌地方裁判所に民事再生法に基づく再生手続開始を申し立て、同地裁から再生手続開始の決定を得たと発表した。
道内で学校法人が借金の支払いが出来ず破綻に追い込まれたのは、同学園が初めての事例。加速した少子化に対応出来ずに、年々赤字を増やしてきた。赤字額は、2003(平成15)年1億4,300万円、2004(平成16)年1億7,000万円、2005年(平成17)年1億5,800万円と、赤字を垂れ流してきており、現経営陣の無策さが問われている。
同学園の負債額は3億7,800万円で、日本私立学校振興共済事業団からの借入金1億7,100万円と社団法人北海道私学振興金協会の1億5,340万円の借入金が85%を締め、金融機関(小樽信用金庫)からの借入金が1,500万円、小樽短期大学父母の会からの借入金2,000万円などとなっている。
同学園は、6月30日と7月31日に支払い期日が来た小樽信金からの各500万円と、8月31日に支払い予定の500万円の計1,500万円、9月末の日本私立学校振興共済事業団からの借入金1,500万円の支払いの目処が立たず、破綻に追い込まれた。
小樽短期大学・小樽看護専門学校(入船4)、小樽明峰高校(最上1)など3校を経営する同学園の破綻で、新たにスポンサーとして名乗りを上げたのが、徳島市で予備校を38校を経営するほか、病院、介護施設、ゴルフ場などを経営している「株式会社タカガワ」(高川晶会長)のタカガワグループ。
7月27日にタカガワグループと小樽昭和学園との間でスポンサー契約を締結した。これにより、同学園の経営権はタカガワグループに移り、7月31日の理事会で、新理事5人が同グループから送り込まれた。
再生手続開始の決定で、これからタカガワグループを軸に再建策が取られることになる。法人名も小樽昭和学園から小樽高川学園に変更し、高川晶会長が新理事長就任の予定となっている。
同学園では、現在の学校生徒数480名と保護者に対し、8月10日(木)15:00から、同短大で説明会を開催することにしている。小樽短大は、今後、現在の英語・経営実務科の単科から、英文科・保育科・看護福祉科の3科に変更する方針で、明峰高校と看護専門学校は、現行通りに継続することにしている。